別居婚4年で離婚、弁護士の初仕事は自分の養育費調停【別れた夫にわが子を会わせる?】
――3回目の調停は?
「裁判官が出てきて、彼に直々に説得をしてくれました。調停の場合、最後の挨拶に来るぐらいの役目なんですが。弁護士が代理人を立てずに本人調停、しかもその弁護士が暴れてるというのが珍しかったんでしょうし、子どもがしばらく父親に会えなくなるかもと危惧したんでしょう。修復不可能にならないようにってことで、裁判官が彼を説得してくれました。
その結果、養育費は5万円だけでなく、月イチの面会交流を妨げないという条項を盛り込むことで落ち着きました。養育費は20歳までではなく、22歳までもらえることになりました。大学時代、お互い親に面倒をみてもらっていたから、我が子が大学を卒業するまではちゃんと面倒を見ることについて、争いはなかったです。
でも元夫婦は今後、よほどじゃない限り連絡は取らないという約束もしました。彼の希望ですが、私も大歓迎です。だから面会交流の日程調整の協議も、息子の携帯で息子自身が連絡調整するから、私は楽なんです。もちろん、いつ会うかは把握していますし、息子も私に予定を教えてくれます。こんな感じでストレスない形で、今後も面会が続いていくんだと思います」
――面会交流はどんなふうに行っていますか?
「月イチで会う日は最寄駅で朝9時に会って、16時半か17時半まで。聞くところによれば、月1回2時間という相場からすれば、十分充実しているかもしれません。どこに行ったか聞けば、近くにある漫画図書館でずっと過ごしたり、映画を見に行ったり、遊園地に行ったりと息子が教えてくれます。
一方、泊まりの面会については、もっと丁寧に交渉してくれたら、私は全然、宿泊旅行とかもOKなんです。だけど息子がNGです。元夫は再婚していて、その再婚相手を必要以上に毛嫌いしてて『会うのが嫌だから。泊まりは絶対嫌だ』って言ってるんです。
向こうが提案してくるのなら、彼側の祖父母の家に行くとかもやってもいいと思います。息子も小学校の高学年になるし、ずいぶん成長しましたからね、冒険させてもいいと思っているんです。これだけいい子に育ってますよというのを見せつけてやりたいです」
西牟田 靖(にしむた やすし)
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒。旅行や近代史、蔵書に事件と守備範囲の広いフリーライター。近年は家族問題をテーマに活動中。著書に『僕の見た「大日本帝国」』『誰も国境を知らない』『日本國から来た日本人』『本で床は抜けるのか』など。最新巻は18人の父親に話を聞いた『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所)。数年前に離婚を経験、わが子と離れて暮らす当事者でもある。