ブレイク・ライブリーの兄も役者って知ってた? 意外に芸能活動してる、あのセレブの兄弟姉妹
パトリック・スウェイジは、2009年9月14日に57歳の若さで死去した後も『ダーティ・ダンシング』(87)、『ゴースト ニューヨークの幻』(1990)などの名作でその名を世界に遺している。08年にすい臓ガンだと診断された後、治療をしながら主演したテレビシリーズ『THE BEAST』も話題作となった。その死後、パトリックの妻とともにメディアの取材に応じたのは、弟で役者のドンだった。
ドンの役者としてのキャリアは長い。テレビドラマにチョイ役として出演するようになったのは、80年代のことだ。『L.A.ロー 七人の弁護士』(86〜94)、『マトロック』(86〜95)などの人気番組にゲスト出演し、アンドレイ・コンチャロフスキー監督の『或る人々』(87)で映画デビューを果たした。
その後の90〜00年代もテレビドラマを中心に活躍しており、05年に放送された『クリミナル・マインド FBI行動分析課』で演じた連続殺人鬼の父親役は高く評価された。10年代に入ってからは、大ヒット吸血鬼ドラマ『トゥルー・ブラッド』、国民的昼メロドラマ『The Young and the Restless』『Days of Our Lives』に複数回出演している。主演ドラマはまだないが、これまで挙げた作品のほかにも人気ドラマに数え切れないほど多くゲスト出演しているため、海外ドラマ好きは「見たことある顔!」だと思うかもしれない。
パトリックとドンの年の差は6歳とやや開いているが、兄弟の絆はとても強かった。亡き兄の妻とCNNのトーク番組に出演したドンは、「兄が医師から肝臓に転移しているという告知を受けた時、そばにいたんだ。言葉が出てこなくて、兄の目を見つめるしかできなくてね。兄だってもちろんマズいことだって理解してたのに、一瞬もひるまなかったんだ。15秒くらいの沈黙の後、『よし、これから忙しくなるぞ!』って闘志を燃やし始めたんだ。それから20カ月後、何度も行く手を阻まれたけど兄はくじけずに病に挑んでいった。その姿は素晴らしかったよ」と告白。「葬儀では、兄はやっと痛みから解放されたんだって思った」と回想した。
パトリックが亡くなる前年の08年、最後の映画となった『Powder Blue』にドンも出演し、念願だった兄弟共演を実現。最後まで役者として精力的に活動していた兄の良き理解者だった彼は、トーク番組で「闘病で痩せて弱った姿を撮影するパパラッチには怒りを感じた。兄が一番みんなに見てほしくなかった姿だったのに」と語り、怒りをにじませたのだった。
■デビュー作から一緒! オーウェン・ウィルソンの3兄弟
『ナイト ミュージアム』シリーズやジャッキー・チェンとの共演作「シャンハイ・ヌーン』シリーズなどで知られる俳優のオーウェン・ウィルソンといえば、ブロンドに童顔、チャーミングな優しい笑顔が印象的だ。一方で、脚本家としても高く評価されており、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)ではアカデミー脚本賞にノミネートされたこともある。そんな彼の兄アンドリューと弟ルークも、ハリウッドで活動している俳優だ。
オーウェンの映画デビューは1996年に公開されたウェス・アンダーソン監督の『アンソニーのハッピー・モーテル』。この作品でオーウェンは共同脚本家も務めている。そして実は同作には、アンドリューとルークも出演。早々と三兄弟共演を果たしていたのである。
兄のアンドリューは1993年に放送されたテレビ映画『ザ・ラストUボート』で役者として本格的に活動を開始した。185cmの長身に男臭いワイルドな顔立ちで、オーウェンとはあまり似ていない。監督としても活動しているが、メインは役者だ。しかしいまだに当たり役にめぐり逢えておらず、「オーウェンに役者の兄がいたの!?」と驚かれることも少なくない。『アンソニーのハッピー・モーテル』でも、主演級の弟たちとは違い脇役だ。
弟のルークは『アンソニーのハッピー・モーテル』後、数多くのコメディ映画に出演している。90年代のコメディ映画を盛り上げた喜劇役者ベン・スティラー、ウィル・フェレル、ヴィンス・ヴォーン、スティーヴ・カレル、そして兄のオーウェンと共に「フラット・パック」と呼ばれ、アメリカで人気を得るようになった。
2000年代になるとテレビ界でも活躍するようになり、『ザット’70sショー』『エンライテンド』など高く評価されたコメディに出演。昨年はヒットメイカーのJ・J・エイブラムスが手がけたコメディ『Roadies』に主演した。
兄オーウェンがケイト・ハドソンとのロマンスで世間を騒がせたのと同様に、ルークも有名女優との交際歴がある。『リスキーブライド/狼たちの絆』(97)、『100万回のウィンク』(98)で共演したドリュー・バリモア、そして『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』で共演したグウィネス・パルトロウと付き合い、タブロイドを賑わせた。
ルークとオーウェンは『アンソニーのハッピー・モーテル』以降も、前述の『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』などでたびたび共演している。『The Wendell Baker Story』(05)ではアンドリューとルークが監督を務め、オーウェンとルークが主演となり、再び3兄弟で映画製作を行なった。
3兄弟はテキサス出身で、幼い頃、馬に乗りながらBBガンで撃ち合いをする遊びをし、オーウェンの球がアンドリューの手に命中してしまい、今でもその球が手の中に残っているという逸話がある。また、ルークとオーウェンは一緒に暮らしていた時期も長く、ルークは「リアリティ番組にしたらヒットしたと思うよ」「あまりにも長く一緒に住んでたから、自分の家を購入しても1年間は引っ越せなかった。変化が怖くて」と語っている。
3兄弟はとても仲良しで、今も互いの作品の上映プレミアに出席することが多い。長兄アンドリューが2人に追いつく日が楽しみだ。