養子を迎え、育児に協力的だった夫が単身赴任で浮気【別れた夫にわが子を会わせる?】
そのうち根本さんの夫が単身赴任となる。夫婦の自宅から車で1時間半ほど離れた町で、通える範囲だったが、夫は自宅から通勤しようとしなかった。
「当初は毎週末、帰ってきていたんですが、2週間に一度、3週間に一度、さらには1カ月に一度と、帰宅間隔が次第に空いていきました。滞在時間は短くなり、日帰りということもありましたよ。帰ってくるときの表情も、次第にひどくなっていきました。笑顔が次第に消え、気がつくと、夫の顔は鋭い顔つきになっていました」
2人は、夜の営みはもちろん、会話すらしなくなっていく。夫は根本さんに用件があるとチラシを4等分にした紙に「今日は会議があるので、朝4時半に出ます」などとメモを残したという。
「異変を感じるようになったのは、いつかしら? 服に口紅がついていたり、カットバンが2つぐらい首に貼ってあったり……。女の影が現れ始めたんです。
浮気だと確信したのは、夏に一緒にプールへ出掛けたときでした。背中の左右両側に4本ずつのミミズ腫れがあって。『引っかいたかもしんない』って、夫はニタニタしながら言うんです」
それは、相手女性からの無言の挑戦状であった。
「女の行動は、だんだんと大胆になっていきました。いたずら電話はしょっちゅう。ワン切りに無言のガチャ切り、果ては堂々と偽名を使って夫を呼び出すほどです。電話をかけてきて、『ご主人様はいらっしゃいますか?』って。電話に出た夫は女に責め立てられているのか、ずいぶん恐縮した様子で返答してるんですよ」
■心当たりのない、ホテルからの不審な電話
相手女性の挑発はさらに続いた。離婚する4~5年前だから、今から7~8年前のこと。ホテルから家に、心当たりのない電話がかかってきた。
「『先日、奥様がお泊まりになったときに、フリルのついた下着をお忘れでしたよ』というのです。私は女の仕業だと、すぐにピンときました。『家に送ります』とホテルの従業員が言うので、待つことにしました。ところが5日、10日と待っても、一向に届かないんです。
後日、こちらからホテルへ改めて電話をかけたら、別の従業員が出て、『〇〇様から電話があって〇〇様の方へお送りしました』とのことでした」
下着の一件は、夫が帰宅したタイミングで伝えたという。
「するとね、彼、見え透いた嘘をつくんです。『△△建設の××夫妻(がホテルに泊まったとき)に俺が名前を貸したんだ。そのときスカーフを忘れたんだ』って。頭にきたので、彼に言ってやりました。『あなたとの関係がギクシャクしているのって、その人が原因だから。私、その人と直接話したい。どこの誰!』って。すると夫は途端にオロオロして、『それだけはやめてくれ』って哀願されました」