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「なんちゅうファックなことが!?」ハル・ベリー、伝説の“アカデミー賞キス事件”を語る

2017/08/07 18:30
「待たない。栄光は、獲りに行くの。」という風情。

 ハル・ベリー(50)が主演男優賞のプレゼンターを務めた2002年のアカデミー賞のステージで、受賞者のエイドリアン・ブロディ(44)から情熱的なキスをされた時、頭の中で「なんちゅうファックなことが起きてるの!?」と考えていたことを最近になって明かした。これまでも「湿ったキスだった」と発言していたことがあるが、最中の気持ちを語ったのはこれが初めて。ネット上は、「確かに、そんな顔してた!」「大女優なのに飾らないハル、最高!」と大盛り上がりしている。

 01年に『チョコレート』で、アフリカ系の血が流れるアメリカ人女性として初のアカデミー主演女優賞を獲得したハルは、翌年のアカデミー主演男優賞のプレゼンターとして登場。『戦場のピアニスト』に主演したエイドリアン・ブロディの名を読み上げ、トロフィーを手渡した。

 エイドリアンは、『アバウト・シュミット』のジャック・ニコルソン、『愛の落日』のマイケル・ケイン、『ギャング・オブ・ニューヨーク』のダニエル・デイ=ルイス、『アダプテーション』のニコラス・ケイジら有名俳優らを押さえて見事賞を獲得。29歳という史上最年少での受賞でもあり、会場は拍手喝采に包まれた。そしてステージに上がったエイドリアンが次に起こした行動に、会場はさらに沸いた。トロフィーを手に祝福ムードで出迎えてくれたハルをぐいっと抱き寄せ、唇にブチュ〜っとキスをしたからだ。

 エイドリアンに抱きしめられ、右手で背中を、左手で頭をがっしりと押さえられたハルに逃げ場はなし。体が反るほど強引にキスされたのだが、ハルは抵抗することなくエイドリアンの首に腕を回しキスを受け止めた。キスを終えたエイドリアンは、受賞したことが本当に信じられないという表情を浮かべ、一方のハルは、大きく口を開けて「WTF(はぁ? なに!?)」という混乱した表情を浮かべていた。

 マイクの前に立ったエイドリアンは開口一番、「これも特典だって、みなさん知らなかっただろうねぇ」とハルとのキスを説明。ステージの後方に立っていたハルは指で唇の横を拭いながら、混乱したままの表情で苦笑いをしていた。受賞スピーチの終わりには、3日前の3月20日に米軍がイラク侵略戦争を開始したことについて触れて会場をしんみりとさせた。そして拍手喝采の中、後方で待っていたハルたちと共にステージを去ったのだが、この時もエイドリアンはハルにべったり。肩に手を回されたハルはにこやかな笑顔を浮かべ、会場は祝福ムードに包まれた。

 このアカデミー史に残るハプニングに、世間は「さすがに仕込みでしょ」「脚本に書いてあったんでしょ」「2人とも演技をする役者だし」と臆測。しかし、ハルがなんとも妙な表情をしていたため、「いや、エイドリアンが勢いでキスして、ハルも思わず受けてしまったのでは」「ハルは『わけわかんない』という顔をしている。無理やり唇を奪われたものの、突き放したらかわいそうと思ったんだろう」と推測する声も多く上がった。

 この「今なお語り継がれるキス」について、このたび当事者であるハルが正直な感想を述べたのだ。

 現地時間8月3日に放送された人気深夜トーク番組『Watch What Happens Live』に出演したハルは、視聴者から電話で質問を受けるコーナーで「アカデミー賞でエイドリアン・ブロディにキスされた時、何を考えていたか知りたいです」と聞かれた。

 質問を受けたハルは、フッと笑い視線を下にそらしたが「事前に打ち合わせていたことだったんですか?」とたたみかけられると、「ノー」と顔を上げて真顔で否定。「あれは計画されたことじゃなかったわ。私は何も知らなかったもの」と首を振りながら言い、ニヤニヤ笑いながら「ふ~ん」と聞いている司会者のアンディに向かって「マジで言っちゃっていいかしら?」と確認を取り、「なんちゅうファックなことが起きてるの!?」「今、ここで! ねぇ!!」と、眉間にシワを寄せ「ファック」を強調しながら、エイドリアンにキスされた時に考えていたことを激白した。

 このハルの爆弾発言に、横に座っていたもう1人のゲスト女優トニ・コレットは思わず噴き出してしまう。が、ハルは表情を崩すことなく、これ以上はないという真顔で「何を考えていたかって、ズバリこうよ」と熱く語った。

「その前年、私も同じ立場だったから、舞い上がっちゃう気持ちはわかるわけ。だから、『ファック! このままやっちゃえ~!』ってね」とエイドリアンの行動をフォローしながら、キスを受け止めたことを笑いながら告白した。

 そんなハルにアンディは「で、キス自体はどうだったの?」と質問。ハルは「わかんないわ。だって頭の中は、マジで『なんちゅうファックなことが起きてるの!?』でぐるぐるだったから。全然わからないわ」と再び混乱したような真顔で答え、アンディは「最高だね」と大喜びしていた。

 ハルは以前にもこのキスについて聞かれており、06年に米芸能番組『Access Hollywood』から「エイドリアンのキスは上手だった?」と聞かれた際には、「ちゃんとしたキスじゃなかったから何とも言えないわ。でも、1つだけ確かなことがある。湿ってたわ」と回答。米芸能誌「People」でも「湿ったキスをする人だった」と言い、「キスは受けただけで、私から唇を押し付け返すなんてことはしなかった。ま、キスをやめさせようともしなかったけどね」と笑っていた。

 一方のエイドリアンは「People」に対して、ハルにキスをしたのは「あんなことをしても許される、唯一の時だったから」だと説明。

 15年に受けた雑誌「Vanity Fair」のインタビューでは、「まさに忘れられない瞬間だったね。時間がものすごくゆっくりと流れているように感じて。実際、そうだったんだと思うよ。キスし終わった後、『ステージから降りろ』ってライトが点滅してたから」と笑い、予想外の出来事に驚いたのか、進行側が「スピーチ終了」という合図のライトを点滅させていたことを告白。「本当に自分が受賞するなんて思っていなかったんだ。イラク侵略した48時間後だったかな、あの授賞式が行われたのは。そこで、まさか戦争を生き延びた男を演じた自分が賞を獲得するなんて」と、しんみりとした口調で語った。

 まとめてみると、「エイドリアンは喜びと複雑な気持ちが混じり合い、壇上で出迎えてくれた美しいハルを見て感極まり、抱きしめて勢いのままキスをしてしまった」「ハルはわけがわからず混乱したが、受賞した瞬間のふわふわした気持ちは理解できるし、抵抗したりビンタしたりしたら喜びの瞬間を台無しにしてしまうから受け止めた」ということなのだろう。ネット上も、14年経った今、このキスのことを「アカデミー史上最高のキス」と呼び、懐かしむ声が多く上がっている。

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