今井絵理子の不倫、妻への慰謝料は最高300万円! 「離婚調停中」の見極めラインは?
「週刊新潮」(新潮社)で不倫疑惑を報じられた今井絵理子参議院議員。同誌によると不倫相手の橋本健・神戸市議は、妻と離婚調停中で4~5年前から別居中だったという。これについて『とくダネ』(フジテレビ系)コメンテーターの古市憲寿氏は、7月27日の放送で「(離婚調停と別居が)もしも本当なら、不倫とはいえ5年間も関係がないなら、一線を越えていてもいんじゃないかなと思うんですけれどね」とコメント。また、同日に会見した橋本市議自身も、不貞行為を否定した上で、今井との関係を「不法行為には該当しないという認識」だったと話している。
一般的には、5年も別居していれば、結婚生活が破綻していると考えられるが、橋本市議の妻は今井を訴えることが可能なのだろうか? アディーレ法律事務所の鮫島玲央弁護士に聞いた。
「前提として、すでに婚姻関係が破綻している既婚者と肉体関係を持ったとしても、不法行為とはなりません。なぜならば、婚姻関係が破綻している場合、夫婦において保護されるべき『婚姻共同生活の維持』という利益が存在しないからです」と鮫島弁護士は述べる。そして、婚姻関係が破綻しているかの判断は、婚姻関係が完全に破壊され、修復の可能性があるか否かによって判断されるという。
「この判断にあたっては、婚姻期間や夫婦の不和の期間、夫婦の離婚意思等のさまざまな事情が総合的に考慮されます。一般的には、別居をしているということは、婚姻生活を継続する意思がないとして、婚姻関係の破綻が認定される方向に働く事情にはなりますが、別居しているという事実だけで、必ずしも婚姻関係が破綻していると認定されるとは限りません」
例えば、離婚を前提としないで、夫婦が互いに距離を置いて冷静になるために別居をしていた場合では、婚姻関係の破綻が認定されなかったという裁判例もあるそうだ。
「今回のケースですと、夫婦の離婚意思が明確ではあるが、夫婦間で離婚協議や離婚調停で話がまとまらず別居していたという事情であれば、婚姻関係が破綻していると認定される可能性も十分あると考えられます。かといって、橋本市議の妻が、今井氏を訴えることは自由ですし、すでに述べたとおり、婚姻関係の破綻はさまざまな事情を考慮して判断されますので、必ずしも、橋本市議の妻の請求が認められないとも限りません」
橋本市議の妻は「新潮」の取材に対し、「百歩譲って私たちが離婚に近づいているにしても、今の段階ではダメですよね」と話している。仮に、妻が今井に慰謝料請求した場合、金額はどのくらいになるのだろうか?
「一般的には、不貞慰謝料は、婚姻期間、不貞期間、不貞回数、婚姻関係が円満であったか、幼い子がいるか等の事情を、総合的に考慮して判断しますが、不貞が原因で離婚に至った等で婚姻関係が破綻したと認定されれば、100万円から300万円という額が相場といわれています。
今回のケースでは、橋本市議と妻の双方に離婚意思があり、別居しているといった事情なのであれば、婚姻関係がすでに破綻しているとして、慰謝料請求が認められない可能性もあります。仮に、請求が認められたとしても、相場よりも低い額しか認められない可能性もあります」
ところで、「新潮」に掲載されていた、2人が新幹線車内で手をつないでいる写真や、同宿したという記事は不倫の証拠になるのだろうか?
「どちらも、証拠にはなります。手をつないでいる事実や、同宿した事実は、肉体関係を直接証明する証拠ではないですが、肉体関係があったと推認させる証拠にはなります。ただ、証拠としての価値が高いかどうかというと、文章だけではなく、写真の方が証拠価値は高いでしょう。また、一般的には、手をつないでいることを示す証拠よりも、同宿したことを示す証拠の方が、より強く肉体関係の存在を推認できるため、証拠としての価値は高いと思われます」
次から次と報道される各界の“不倫”だが、「不法行為」がないからといって問題にならないとは限らない。その影響力を考えれば、政治家や芸能人は、もう少し慎重な行動をとったほうがいいのではないだろうか。