芸能
[連載]イケメン図鑑

朝ドラ『ひよっこ』映画『海辺の生と死』出演、井之脇海さんに直撃! 驚きの“事実”判明?

2017/07/29 16:00

 7月29日より公開される映画『海辺の生と死』。太平洋戦争末期に奄美群島の加計呂麻島で出会った、戦後文学史に残る作家夫婦の実話を満島ひかり、永山絢斗が演じます。本作で主役の男女を繋ぐ存在として印象深い演技を見せる俳優・井之脇海さんは、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』『ごちそうさん』にも出演している次世代の演技派俳優。現役大学生でもある井之脇さんに、今作について、そして自身について語っていただきました。

■ロケ地の奄美大島や加計呂麻島の魅力のトリコに!

――この作品は、戦時中の物語とはいえ、そうしたシーンは目立たず、とても情熱的な恋愛映画ですね。井之脇海さんが演じる大坪は、トエ(満島ひかり)と朔中尉(永山絢斗)の関係を繋ぐ存在でキーマンですが、感情があまりわからない存在でした。

井之脇海さん(以下、井之脇) 最初は戦争映画というのに捉われて悩んでいたのですが、越川(道夫)監督から、「描いているのは人間同士の話。戦争は背景だから、あなたは大坪という人として存在してほしい」と言われました。確かに感情が伝わりにくい役なんですけど、脚本には書かれていない部分も想像して演じました。この映画には、役者ではない奄美大島の方も出演していて、その姿が素敵で、奄美の方たちの存在感が僕が俳優として目指すところかなと思いました。

――撮影では長く奄美大島や加計呂麻島にいらしたそうですね。思い出はありますか?

井之脇 たくさんあります! とにかく空気がきれいなんです。海にいるとき、ここで息をフッと吐いたら、空気がずっと先まで永遠に続いていくんじゃないかというくらい澄んでいるんです。あと、蛇がいました。奄美では蛇というか正確にはハブですが、捕まえて生計を立てている人もいて、1匹捕まえると数千円になるそうです。その一方で、ハブは神様のような扱いもされていて、僕も魔除けとして、仙骨のネックレスを買いました。奄美は自然も生物も人もすごいパワーを持っていましたね。

――加計呂麻島はいかがでしたか?

井之脇 ここもすごく良かったですよ。できることなら加計呂麻島で1週間サバイバル体験したいくらい(笑)。共演した永山さんと川瀬(陽太)さんと釣りに行きました。手漕ぎボートだったんですが、こんなに流されるのかっていうくらい沖に流されてしまって……。そんな大変なこともありましたが、槍を持って海に潜るなど、東京では得られない体験ができました。役のことで悩んだり精神的にキツイことがあったりしても、全てこの島の自然と人々に助けられた気がします。まさにパワースポットですね。

■僕は「てれび戦士」ではありません!

――井之脇さんは子役時代から活躍していて、『天才てれびくん』(Eテレ)にも出演されていたんですよね?

井之脇 それがちょっと違うんです(笑)。僕が『天才てれびくん』に出ていたことがひとり歩きしているようなのですが、正確には、あの番組内のドラマに出演しただけで、それも1日しか撮影に関わってないんです。ときどき「元てれび戦士」と勘違いされるので、『天才てれびくん』のスタッフの方にも申し訳なくて。声を大にして「違います!」と言いたいです(笑)。

――わかりました、サイゾーウーマンでしっかり訂正しておきます! 子役時代はオーディションも受けていたんですか?

井之脇 子役の頃にいた劇団はオーディションの数がすごく多く、学校が終わったら受けに行っていましたね。多いときは月30本も受けたことがあります。中学のときは、友達と遊びたいと思ったこともあったけど、僕は12歳のときに出演した映画『トウキョウソナタ』で「自分は役者でやっていく」と決めたので、高校生のときは遊びたい気持ちもそれほど湧かず、オーディションを積極的に受けていました。

――黒沢清監督の『トウキョウソナタ』で天才ピアノ少年を演じていましたね。

井之脇 僕の人生を決めた作品です。父親役の香川照之さんが本当にカッコよかったんです。「役者とはこういうものだぞ」と背中で教えてくれて、すごく刺激を受けました。あと映画の撮影現場がとにかく楽しくて仕方がなかったし、何より黒沢清監督の撮影現場に関われたことも大きいですね。監督の演出を受けて、俳優としての学びも多かったし、映画の楽しさを教わりました。僕は今、大学4年なのですが、この撮影のときに香川さんから「海、大学は出た方がいいぞ」と言われたことがきっかけで、大学進学を決めたんです。専攻は映画学科の演技コース。撮影など技術的なことも学べるので、短編の監督作を2本撮って、そのうちの1本をカンヌ映画祭に出品し、正式招待を受けました。

――世界三大映画祭の1つじゃないですか!

井之脇 僕の映画はコンペティション部門ではなくマルシェ(映画の権利を売価する見本市。カンヌ・フィルム・マーケットのショートフィルムコーナー)です。でも映画を売るためというより、世界の映画人の方と話がしたくて。実は僕『トウキョウソナタ』のときにカンヌ映画祭へ行かせていただいているんです。すごく楽しかったけど、子どもだったので実はよくわかっていなくて、目の前にブラッド・ピットがいるのに「ブラピって何?」という感じだったんですよ(笑)。だから今度は、世界の映画人の方と会って、カンヌ映画祭を楽しみたかった。実際、多くの映画関係者の方と交流できてうれしかったです。でも、映画作りは趣味で、監督になろうとは考えていません。僕は一生役者です。ずっと役者として食っていこうと決めていますから。

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