加藤綾子「セクシーポーズ」日テレ「清廉性」弁護士が斬る、女子アナ入社試験のおかしな項目!
また、裁判といえば、以前、学生時代のホステスのバイト歴が発覚し、内定を取り消された女子学生がいた。その後、裁判を起こして和解し、日本テレビに入社した笹崎里菜アナウンサーだ。彼女が受け取った通知書には「アナウンサーには高度の清廉性が求められる」などと書かれていたという。
これら2つのケースのように、入社希望者に「高度の清廉性」や「セクシーポーズ」を求めるのは、“女子アナ”という特殊な職業だから、ということで認められるものなのだろうか。
「職業ごとに要求される要素というものは異なりますが、憲法、雇用機会均等法によって、性別による差別は禁止されていますので、『セクシーポーズ』を求めるのは認められません。
また、『高度の清廉性』に関しては、具体的中身が問題となります。ホステスのバイトをすることが、なぜ『高度の清廉性』を害するのかが不明です。ホステスも立派な職業ですから、ホステスをしていたことが『高度の清廉性』を害すると判断するのは、ホステスを職業差別していることになる可能性もありますし、ホステスは『高度の清廉性』を害すると判断している人にこそ、『高度の清廉性』がないのではと判断される可能性もあります。そういったことから、内定取り消し事件は和解に至ったのではないでしょうか」
■女子アナに就職協定は関係ない
ところで、加藤は、ほかの受験者よりも相当優位な状況下で試験を受け、フジテレビ入社は「青田買い」状態だったと報じられている。また、元乃木坂46の市來玲奈は、今年2月に、日本テレビのアナウンサーに内定したと報じられた。日本経済団体連合会(経団連)の「採用選考に関する指針」(いわゆる就職協定)では「正式な内定日は17年10月1日以降とする」と定められているが、それよりも半年以上早く内定が出ていることになる。就職協定には法的な拘束力はないのだろうか?
「経団連の就職協定(採用選考指針)に法的拘束力はありません。あくまで自主的ルールです。ルールを定めた理由は、企業の採用活動を学業の妨げにならない時期に定め、学生が学業に専念できるようにすることにあります。法的拘束力を持たせると、企業の採用の自由、学生の就職活動の自由が制約され問題が出てきます。そのため、あくまで自主的ルールにとどめています。当然、採用活動に苦戦する企業等は守りません。また、経団連に加盟していない企業からすれば自主的ルールにさえ拘束されません」
つまり女子アナの「青田買い」は法的に問題ないということのようだ。しかし、これらは、女子アナの入社試験がいかに特殊かを表しているのではないだろうか。