覚醒剤よりヤバい! ヤクザが「危険ドラッグは危険」と言う理由
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
最近、危険ドラッグにまつわる事件が、また目立ってきましたね。しばらく見ない印象でしたが、ニュースの見出しだけでも「危険ドラッグを自宅で製造し密売、男逮捕」「京都新聞記者を逮捕 危険ドラッグ所持の疑いで」「東邦大病院の看護師を危険ドラッグ密輸容疑で告発」「危険ドラッグ密輸 青森市職員 起訴」などなど、すごいですね。
特に、50代のTBS幹部社員がホテルで「30代知人女性」に危険ドラッグを「嗅がせよう」として、誤って顔にかけてしまい、赤く腫れたという事件には驚きましたね。おそらくは覚醒剤と成分が似ているといわれる「アロマリキッド」の類いだと思いますけど、顔が腫れるなんて超粗悪品ですよ。目的は、もちろんキメセクです。
「ひどーい。こんなの今どきヤクザだってやらないわよね」と、思わずオットの遺影に話しかけてしまいました。
■オットの子分が「危険ドラッグは危険」と言ってます
これらの報道には、「暴力団」の文字がほとんど見当たりませんでした。関与してないのではなく、バレないように巧妙に存在を消しているのだと思います。
たとえば、危険ドラッグの製造密売で逮捕された30代男性は「派遣社員」でした。中国から安い指定薬物を密輸しようとして税関に見つかり、警察に通報されたそうです。ほかも、看護師や地方公務員ですから、「暴力団」との関係は一見薄そうですね。でも、関係ないわけがありません。ちなみに看護師さんと結婚してるヤクザは結構いるんですが、その話はまた。
「危険ドラッグは儲かる」ということで、手を出しているヤクザは多いです。「覚醒剤と違ってテキトーに作れて、高く売れます」と、オットの若い衆も言っていました。銘柄としては「ラッシュ」が有名ですけど、同じ「ラッシュ」でも内容はバラバラなのだそうです。
危険ドラッグは、大麻やそれに近い幻覚作用のある「ハーブ」に、薬局で売ってるカフェインや乾燥剤、さらには粉ワサビや洗剤、殺虫剤といった「舌に刺激を感じるもの」や「悪酔いするもの」などを混ぜた液体をスプレーして、もんで乾かすのが主流です。「問題は、『同じもの』をリクエストされた時ッスねー。テキトーに作ってるから、再現できないス」と笑っていた若い衆は、現在はカタギになって道路工事をしています。私のオットは指を詰めさせなかったので、社会復帰はしやすいと思います(ちょっと自慢)。
ちなみに別の若い衆からは「姐さん、危険ドラッグだけはやったらダメですよ。シャブのほうがいいですよ」と言われたこともあります。「ほどほどにしときなさいよ」と言っておきましたが、「若い人たちはなんでもアリだなあ」と、極妻の私ですら思いました。