「ar」夏のSEXY特集が、「中身のない自己啓発書」にしか見えないワケ
ほかに“SEXY特集らしいページ”と感じたのが、下着紹介企画の「お誘い(ハート)ランジェリー」と、性のお悩みQ&Aページ「誰にも言えない悩みはここで aR18」。
「お誘いランジェリー」では、「彼とのおアツい夜の演出に」と、これでもかといわんばかりの64セットの下着が掲載され、見ごたえはたっぷり。しかし、下着はなぜか「ポチャ子」向けと「ヤセ子」向けで分類して紹介されています。例えばポチャ子向けには、「気になるパーツ いっそぜ~んぶ隠しちゃえ!」とのキャプション付きで、露出控えめのブラ&パンティーや、「サイドのスリット効果で太ももほっそり」効果が期待できるというショーツが。色気がある女子というのは、“脱ぐ”ためにお誘いランジェリーを身に着けるのだとしても、脱ぎ去る前の一瞬にまで気を配るのかと感心しました。
性のお悩み相談企画「aR18」で回答者を務めるのは、定番の女性の婦人科専門医とセックスカウンセラー。質問内容も、ほかの女性誌で読んだことがあるオーソドックスなものばかりで、特に「ar」独自路線は見られなかったのは残念ですが、色気を追い求める「ar」読者も、性の悩みは普通の女子と変わらないのかという、安心感だけは収穫でした。
■また出た「うさぎ」推し
5月号で「うさぎ女子」、6月号で「うさぎFACE」を紹介していた「ar」。今月号では「うさぎBODY」を打ち出し始めました。うさぎBODYの持ち主として誌面に登場しているのは篠崎愛。巨乳が売りのグラビアアイドルで、最初のページではがっつりと胸の谷間も披露しています。
うさぎBODYの定義は、「抱き心地」「柔らかな丸み」「可愛いエロさ」「透明感」「湿度のある白肌」とかなり欲張りで、かつ男性目線のもののよう。「柔らかな丸み」に関しては、「バストやヒップはもちろんだけど、うさぎボディを狙うなら、肩や二の腕などすべてのラインがまあるくなめらかであることが必須条件」とし、想像しにくい“全てが丸い女子”を推奨。さらに「可愛いエロさ」では、「無理にセクシーさを演出するんじゃなくて、自分らしい女の子パーツを素直に生かして」と呼びかけ、「無邪気さからにじむ伸びやかなエロスが“近付きたい”“触れてみたい”って周りをキュンキュンさせる無敵の吸引力につながるというワケ」と説明しています。一つひとつの言葉の響きは、ステキでキュンキュンするのですが、具体的にどうすれば「無邪気さから伸びやかなエロス」や「無敵の吸引力」が生まれるのかは触れられず、中身のない自己啓発書でヤル気だけ無理に起こされているときと似た気分になってきます。
そして、篠崎が紹介しているビューティーアイテムも、「ヴァセリン」「牛乳石鹸」「MTG リファカラット」という、誰でも知っているであろう3点。うさぎBODYの奥が深いのか、浅いのか、もはやよくわからなくなってきています。
次号からのうさぎ展開にも期待大です。
(島本有紀子)