【連載】別れた夫にわが子を会わせる?

堕胎後、無計画に妊娠・結婚した夫とかみあわず3年で離婚【別れた夫にわが子を会わせる?】

2017/06/23 15:00

“人生の勉強になるだろう”という軽い気持ち

――なぜ、年上のボスとお付き合いをすることになったのですか?

「入社時、私以外ボスも含めて4人の男性社員がおり、女性は私1人だけでした。ほかの男性社員と付き合う可能性があっても、こいつだけはないと思っていたのですが(苦笑)、入社して2カ月くらいで、黙って会社を辞めようと思っていたのを、台湾取材に連れていってくれるというので踏みとどまり、取材が案外楽しかったので、もう少し仕事を続けてみようと思ったのでした。その後、またすぐタイに連れていってくれるということになり、取材だと思ってフィルムをたくさん持っていったのですが、実は単なる旅行で、そこでなんだかそういう関係になってしまい……というわけです。相手が上司だから断れなかったというわけではなく、私が冒険好きなゆえ、“こういうおやじと付き合ったら、人生の勉強になるだろう”という軽い気持ちでした」

――その後、妊娠・出産されたんですよね。そのときのお相手は、別の方ですか?

「いいえ、同じ相手です。妊娠がわかったのを機に、しぶしぶ結婚しました。生まれた子は男の子でした」

――元旦那さんは、女性関係が派手だったりしたんですか?


「スナックの女の子と浮気していたことがありました。『ほかに子どもはいない』と言っているけど、どうでしょうね。ワーカホリックでお金も結構持っていて、お金を持っていないと不安というのかな、持っていることにステータスを見いだしている、そんな人です」

――なぜ仲が悪くなったんですか?

「子どもができてもワーカホリックという彼のスタイルが変わらなかったからです。ずっと仕事をしていて、家には寝に帰ってくるだけ。私があまりにも当てにしなかったから、というのもありますが、育児にしたって協力的ではない。たまに公園に遊びに行ったりとか、あとはお風呂に入れてくれたりしたぐらい。それも週に1回、あるかないかですよ。

 一方、私は180度、生活を変えざるを得なかった。家に1人でこもって育児に追われる毎日。睡眠不足だし、授乳やおむつ替えもしなきゃいけない。子どもの生後7~8カ月のころ、『夜泣きがひどくて、私が全然眠れないの』と彼に話したことがあるんです。そしたら彼、なんて言ったと思います? 『大丈夫大丈夫、(俺は)そんなの全然聞こえなかったから大丈夫だよ。眠れたから』って言ったんです。

 彼は仕事、私は育児と、ずっと平行線でした。関係がものすごく険悪になったり――というのはなかったんですけど、かみ合わない夫との日々の生活に疲れ果て、相手への情がなくなっていきました。それで、『離婚したい』と切り出したら、『お金ないのにどうするの? できないでしょ、子育て』って言われ、何も言い返せなかったんです」


――仕事には復帰されたんですか?

「子どもが1歳のとき、フリーライターとして仕事を再開しました。本当はもっと早く子どもを保育園に入れたかったんですが、3月生まれなので、そうはいきませんでした。都内だと、翌年の4月まで待たなければ入れなかったんです。保活を事前に勉強している人は、計算して5月とかに産んで、早いうちから働けるんですけどね。まったく無計画な妊娠だったので」

わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち