「私の趣味は、夫の不倫疑惑をブログに綴ること」婚外恋愛“された”女の複雑な心模様
美和さんのご主人は営業職で、「社内では営業成績も人柄も良かった」という。地方出身の長男で兄弟思いのところがあり、スポーツマンで明るいところにも惹かれたそうだ。
サークル活動や飲み会などの機会があるたびに、美和さんは積極的にご主人にアプローチをし、交際に発展。2年弱の交際期間を経てゴールインした時には「舞い上がるほどうれしかった」という。
「私は、何も特筆できるものがないって自覚しているんです。見た目も普通、学歴も短大卒で、仕事もできる方じゃないし、そもそも好きじゃない……かといって趣味もありません。母に似たんだと思います。けれど母は20代の早いうちに結婚して子どもを産んで『専業主婦』という肩書を手に入れました」
女が人生を歩む時に、社会的に必須となるのが「肩書」なのかもしれない。悲しいかな現在の日本では、なんらかの夢や目標を持たずに1人で生きる女は、周囲に不審がられる場合が多い。美和さんのように「夢や目標はないけれど、たまたま1人」である女性は、周囲から「どうして結婚しないの?」といった無言の圧力を受けることもあるのだ。
「私も、母のように自分の落としどころがほしかったんです」
結婚を機にしばらくは休職していた美和さんだが、「自宅にいてもやることがなかったんで」という理由で、再び派遣社員として会社に復帰する。
ご主人の不倫に気づいたのは、結婚してから4年近くたった頃。相手は美和さんも知る、正社員である年上の独身女性であった。
「主人の浮気を知るきっかけになったのはLINEでした。主人がお風呂に入っている時にスマホのディスプレイを見て……IDが私も知っている名前だったので、すぐに気付きました。無関係な部署の彼女が、どうして頻繁に主人にメッセージを送ってくるんだろうって」
ご主人は、帰宅するとリビングにスマホを置いたままにしているそうだ。美和さんは無造作に置かれたスマホの画面に常に気を配り、ディスプレイが明るくなると新着情報をチェックし、彼女からのメッセージを確認すると証拠写真を撮り続けているという。