『やすらぎの郷』、野際陽子の訃報と元女優の死——明暗別れた最期に視聴者から驚きの声
ニッポンのお茶の間をわかし続ける“昼ドラ”――そのあらすじと視聴者からの反響を、サイゾーウーマンが週2回(月・木曜日)お届けします!
『やすらぎの郷』(テレビ朝日/月~金、昼12時30分) テレビ業界人専用の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」を舞台に、家族、財産(遺産)、過去の栄光、恋、死への恐怖、芸術への心残り……、さまざまな思いを抱える老人たちと、彼らに翻弄される脚本家・菊村栄(石坂浩二)の姿を描く物語。
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■6月16日(金)/55話〜6月19日(月)/56話
55話では、犬山小春(冨士眞奈美)がビルの10階から投身自殺した。このニュースを知った「やすらぎの郷」入居者たちは、大騒ぎするのではなく、みな自分の部屋から出ず、静かに過ごす。小春の自殺を報じる新聞記事はあまりにも小さく、また「女優」とも書かれない。そんな、忘れられた女優のてん末は「やすらぎの郷」の入居者一人ひとりに重苦しい衝撃をもたらしたのだった。
一方、小春の身内がなかなか見つからないと聞いた栄は、誰もいなければ遺体を自分が引き取ると決め、急きょ東京へと向かう。そこで、小春の自殺の報道を見てやってきた中山保久(近藤正臣)と再会。中山は、栄と共にテレビの黄金期を築いた“戦友”のディレクター。中山も“小春の死”に対して報道陣が誰も駆けつけていないことにショックを受ける。そして、ふたりは小春の葬儀を行うために奔走し、小春の遠い親戚だという若者と一緒に寂しく小春を見送るのだった。
6月13日には、同作に井深凉子役で出演している女優・野際陽子が亡くなった。16日の放送では野際を追悼するテロップが流され、視聴者からもSNSや公式サイトの掲示板に野際の死を悼む声が続出。作中で落ちぶれてしまった女優の死が描かれているタイミングで届いた野際の訃報に、「野際さんの訃報が大々的に取り上げられているのと、犬山小春の扱いが対比になっている。この偶然にぞわっとしてしまった」「現実に最期まで女優人生を全うして亡くなった野際陽子さんがいて、ドラマの中に最期は女優と認められなかった小春がいる。リアルすぎる格差をこんな形で目撃することになるとは……」「野際さんは最後まで現役として仕事を貫き通した。これは本当にすごいことだったと『やすらぎの郷』が教えてくれた」との声が続出した。
小春の死から2カ月が過ぎた56話。夏を迎えた「やすらぎの郷」に恒例のヌーディスト・ビーチが出現。凉子と三井路子(五月みどり)は一糸まとわぬ姿で海水浴に興じる。その光景をいつもの磯釣り中に目にした栄は、迷惑なような、そうでもないような表情で戸惑う。その晩、涼子から大事な話があると相談を持ちかけられた栄は、後日久しぶりに2人で鯉の刺身を食べに、人里離れた小料理屋「山家」を訪れる。そこで、涼子は「困ったことが起きているのよ」と栄に打ち明ける。
最後まで女優として多くの人々を魅了した野際陽子。彼女が井深凉子として生きる人生最後の仕事を目に焼き付けておこう。