オプラ・ウィンフリー、『ワンダーウーマン』に熱狂! グッズを購入して大喜び
今月2日に全米で公開され、週末の全米興行成績は1億330万ドル(約114億5,000万円)と、ぶっちぎりのナンバーワンに輝いたDCコミックス映画『ワンダーウーマン』。「女性監督が手がけた」「女性ヒーロー単独主演映画」としては歴代で1位という快挙に、ハリウッドもびっくり。愛と平和、正義のために果敢に戦う史上最強の美女戦士に、全米が熱狂し続けている。そんな中、アメリカで最も影響力を持つ“パワフル”な女性、オプラ・ウィンフリーがTwitterに、愛犬と一緒にワンダーウーマンのロイヤル・ティアラを頭にはめた笑顔の写真を公開。インスタグラムには、ウキウキで『ワンダーウーマン』パーティーの準備をする動画を投稿し「オプラもファンだったのか!」と大きな話題を集めている。
ワンダーウーマンは、ギリシア神話に登場する女戦士のみで暮らす戦闘部族アマゾネスの王女「プリンセス・ダイアナ」として誕生。外界から隔離されたパラダイス・アイランドで戦闘スキルを磨きながら暮らしていた彼女は、不時着した陸軍パイロットにより現代社会にエスコートされ、「平和の大使」としての任務を与えられる。プリンセス・ダイアナは、悪を裁くため、星条旗を彷彿させる戦闘コスチューム姿のワンダーウーマンに変身。「ダイヤも切り裂くロイヤル・ティアラ」「防弾ブレスレット」「くくられると嘘がつけなくなる真実の投げ縄」などを駆使し、華麗に戦う。
1941年にコミックでデビューしたワンダーウーマンは、75年からリンダ・カーター主演でテレビドラマ化。リンダ演じるワンダーウーマンが美貌、頭脳、腕力によって「地球最強の美女戦士」として愛と平和、正義のために果敢に戦うかっこいい姿に、多くの女性が魅了された。特に少女たちは、ワンダーウーマンのような心身ともに強い女性になりたいと憧れたものだった。
DCコミックのスーパーヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」の主要メンバーであり、スーパーマン、バットマンと並ぶ戦士であるワンダーウーマンだが、スーパーマンとバットマンと比べて、実写作品は非常に少ない。リンダが演じてからは「ワンダーウーマン=スリムで長身、ウエストがキュッと締まった美女」というイメージが強くなってしまい、2011年に米NBC局がエイドリアンヌ・パリッキ主演で制作したテレビドラマ版は「これじゃない」と不評。『アリー my Love』(97〜02)を手がけたデビッド・E・ケリーが製作総指揮を務めることで期待されていたにもかかわらず、直前で放送中止となり、お蔵入りしてしまった。
そんな経緯があったので、14年10月に、米ワーナー・ブラザースのCEOケビン・ツジハラが「16年から20年にかけて、10作のDCコミック実写映画をリリースする」と発表したラインナップの中に『ワンダーウーマン』が入っていても、世間は「ヒットはしないだろう」「リンダ以外のワンダーウーマンなんて、受け入れられない」と予想したものだった。
ふたを開けてみれば、ラインナップの中で目玉だとされていた『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、予定通り16年に公開されたものの大コケ。「スーパーヒーロー同士が殴り合うのは、子どもに悪影響」「何のために戦ってるのかわからない」「政治色が強くて滑稽」「メンタル弱すぎ」と酷評された。「特にひどい」とけなされたバットマン役のベン・アフレックにいたっては、インタビューでストレートに「評判悪いですね」と言われ、悲しそうな顔をする始末だった。
しかし、この『バットマン vs スーパーマン』にも、大絶賛されるシーンがあった。颯爽と登場し、先頭を切って戦いまくった、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンである。この姿に、多くの観客が「最高にカッコいい!」としびれたのだ。
とはいえ、ハリウッドは「女性監督が撮る女性ヒーロー単独主演映画なんて、たかが知れてる」と軽くあしらい「『ワンダーウーマン』は、そこそこヒットするのが関の山」だと鼻で笑われ、「フェミニストを喜ばせるための話題作りだ」とも、陰口を叩かれた。そんな『ワンダーウーマン』が今月2日に全米公開されるやいなや、爆発的にヒット。2週連続ナンバーワンを記録し、DCのみならず、マーベルも含めたアメコミ映画史上最高傑作だとまで大絶賛されるようになったのだ。
シビアな映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家、観客ともに92%が『ワンダーウーマン』を支持していると評価。「女性監督が手がけた」「女性ヒーロー単独主演映画」としては歴代で1位となり、メディアは連日のように「『ワンダーウーマン』がハリウッドを変えた」と報道。同作をあなどっていた業界人たちを脱帽させた。