2度離婚した夫は養育費を払わないが、月1回は面会している【別れた夫にわが子を会わせる?】
――その後のBさんとの関係は?
「養育費は今もくれてへんし、二度目、2人連れて別れるとき、そもそも期待してへん。それでもBとは、今も月1回は会ってる。子どもらに会いたいってことで。うちに対しては、『子どもらに気持ちが残ってるし、復縁したい』って言ってくれるんやけど、うちはそんな気一切ない。だって、2回目の離婚のときに、家を出て行く方を選んだやろっていう話やん。3回目は、さすがにないで」
――お子さんたちに対して思ってることは、何かありますか?
「普段、父親なしで育ててるから、そのことは2人に悪かったなって思ってる。ある程度の年齢になったら、自分で考えて、会いたいかどうか選べるやん。だから、会うかどうかは任せる。会いたくなかったら、会わなくてええんちゃうかな。
今はなんとか福祉のお世話になりながら暮らしてるけど、ゆくゆくは、また仕事したい。仕事する姿を子どもらに見せたい。いつまでも福祉に頼るっていうのも、気が引けるしな」
――これまでのことを振り返って、今の生活をどう思いますか? 池脇さんにとって、お子さんたちはどんな存在ですか?
「2人の子どもがいてなかったら、病気でもっと自分が崩れてたかもな。この子らが成人するまでは、なんとか元気でおらなあかんやろ。子どもらがおるから、頑張らなあかんって思うしな。結局は、子どもらがおるからこそ、今が一番、幸せやわ」
池脇さんは、母としての喜びと責任感を抱きしめるように言った。
西牟田 靖(にしむた やすし)
1970年大阪生まれ。神戸学院大学卒。旅行や近代史、蔵書に事件と守備範囲の広いフリーライター。近年は家族問題をテーマに活動中。著書に『僕の見た「大日本帝国」』『誰も国境を知らない』『日本國から来た日本人』『本で床は抜けるのか』など。最新巻は18人の父親に話を聞いた『わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち』(PHP研究所)。数年前に離婚を経験、わが子と離れて暮らす当事者でもある。