2度離婚した夫は養育費を払わないが、月1回は面会している【別れた夫にわが子を会わせる?】
――面会をするうちに、池脇さんやBさん、息子さんの関係が変化してきた?
「そうやねん。3年ぐらい月イチで面会してたら、Bの息子への接し方が変わってきた。優しくなったというか。そんなふうに見えた。うちはうちで、息子のことをいつまで面倒見られるか不安やったしな。そんなんで、『やっぱり、このまま1人っていうのはなあ』って思ったりしてるときに、たまたまそういう関係になってしまって。肉体関係にな。変な話、その1回で妊娠してしまいました。40過ぎて」
――すごい。運命的ですね。
「Bに『どないしよう』って相談したら、『産んでくれ』って即答。うちかて1人では不安やから、『じゃあ、もう1回やり直してみる?』って言いました。Bは離婚したがってなかったんで、当然、賛成。そんなんで、Bと再婚することにしたんです。これはもう、一種の賭けやな。今度こそ、Bと一緒にやり直せるかどうかの。うちは生活保護を切って、もう1回、籍を入れたんです。とにかく、それでやり直した」
――Bさんは、改心してくれましたか?
「いやいや。変な癖がついてた。うちと別れた後、1人の寂しさを埋めるためにインターネットゲームにはまっててん。いわゆる『モンハン』(モンスターハンター)っていうやつ。それにドハマリをしてて。ご飯食べる寝る以外、家のど真ん中で、ずっとモンハンやってんねん。息子が話しかけても、『やかましい。今忙しいんじゃ』って言って、ずっとやってました。仕事ちゃうから、忙しいもクソもあるかって感じなんやけどね」
――ゲーム中毒ですか。かなわんですね。
「そのうち、Bは1週間以上、とびの仕事がないのもざらとか、めっちゃ暇になって。生まれてきた娘のミルク代やおむつ代に困るようになったんやわ。かといって、うちは体の調子とか子育てとかで働かれへんからな。『ほかにバイトしてくれへんか』って、お願いしたんや。そしたら『おれは職長やから、電話かかってきたときに、すぐに仕事に出れるようにしとかな話にならん。だから、おれはほかのバイトはでけへん』って返事されたんやわ」
――言い訳めいてますね。
「ミルク代も払えるか払えへんかギリギリの状態になったとき、息子がトイレの壁に書いた、文字を見つけたんです。すごい小さい字で『とうさんしね』って。それ見てうちは『この人と一緒におったらあかん、もう無理』って思って、決断を迫ることにしました」
――「決断」というのは、離婚かバイト?
「そうです。『このままやと生活できひん。バイトしてくれる? また別れるか? どっち選ぶん?』って迫りました。Bが『わかった。じゃあバイトするわ』って言ってくれるかなと思って言うてん。でも言われたんは、『出て行く』っていう言葉やったわ。それから1カ月ぐらいで出て行きよった。そのとき息子は小学生、娘は1歳前やった。離婚してなかったら、もっと我慢しなきゃいけなかっただろうからな。別れるっていう選択しかなかった」