嵐・相葉『貴族探偵』7%台低迷で「月9廃止」は目前? ラストは10月期「篠原涼子主演作」に?
フジテレビ“月9ドラマ”30周年記念作として、主演に嵐・相葉雅紀を迎え、同局が全精力を注ぎ込んで制作している『貴族探偵』が、よもやの大不振に陥っている。
初回こそ11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、まずまずだったが、第2話で8.3%と急落。第3話では9.1%と微増したが、第4話で8.9%と再び降下。以後、8.0%、7.5%、7.8%と低迷が続き、5日放送の第8話では7.0%まで落ち込んだ。
これは、テレビ東京がオンエアした『全仏オープンテニス~男子シングルス4回戦 錦織圭VSベルダスコ』が9.9%で、同局としては高い視聴率を獲得した影響ともいわれているが、同ドラマは前週も7.8%しか取れていないだけに、錦織の試合中継とは、ほとんど関係ないとの見方も。3週連続で7%台なのは、これが『貴族探偵』の今の“実力”ということだろう。
いくら低迷する“月9”とはいえ、天下の嵐メンバーの主演ドラマで、いったい誰がこんな体たらくを予想しただろうか? 第8話までの平均は8.8%で、このペースで推移すると、月9史上ワースト2位のHey!Say!JUMP・山田涼介主演『カインとアベル』(2016年10月期)の8.2%を下回りかねない。ヒロインの武井咲をはじめ、生瀬勝久、井川遥、中山美穂、松重豊、滝藤賢一、仲間由紀恵らの超豪華キャストを集結させ、1話あたりの制作費が約1億円といわれる中、この視聴率では大赤字で、営業的には、7月期以降のスポンサー獲得に苦慮するのは必至だろう。
来る7月期は、山下智久主演『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐』3rd seasonが放送されるが、問題は、その先の10月期だ。当初フジ・亀山千広社長の肝いりで、木村拓哉主演ドラマの制作が、ほぼ決まっていたというが、同社長の失脚により、そのプランは白紙に。木村に代わって、主演として、篠原涼子が決定し、準主役には、人気急上昇中の高橋一生が起用されるという。タイトルは未定のようだが、市制や社会の悪と対決する新米ママさん市議の奮闘を描いた政治ドラマとなるようだ。
篠原といえば、15年10月期に、同局で『オトナ女子』の主演を務めたが、視聴率は平均8.7%と惨敗し、フジでのドラマ主演には慎重になっていたとされるが、なんとか口説き落とした模様。
だが、情勢的には、篠原は“敗戦処理”という損な役回りを強いられる可能性も大のようだ。というのは、低迷が続き、その存続が取り沙汰されている“月9”は、庇護してきた亀山社長の退任もあって、10月期をもって廃止される可能性も高い。『コード・ブルー』が高視聴率を取れば、延命するかもしれないが、同ドラマが低調なら、篠原主演ドラマの成否にかかわらず、新上層部が“廃止”の断を下すことになるかもしれない。
仮にそうなれば、10月期の篠原主演ドラマは、伝統ある“月9”の最後の作品となってしまうだろう。
(田中七男)