中村明日美子原作の映画『ダブルミンツ』、主演のBOYS AND MEN・田中俊介さんに直撃!
――光央はすごく複雑な内面を持ったキャラクターですが、田中さんは光央をどんなふうに捉えていたのでしょう。
田中 本当にわからない男でした。同級生として、もう1人の光夫(淵上泰史)と出会い、彼を自分に従わせて、どういう男になるのかと思ったら、大人になったらチンピラになっている。でも、なんでチンピラになったのか、いったい何者になりたかったのか、光央自身もわからないんですね。強がっているけど、実は弱い男なんです。今の自分に満足していないけど、それについて深く考えもせず生きている男と解釈しました。
――光夫とはラブシーンもありましたね。淵上さんとはどんなふうにコミュニケーションを?
田中 あえて距離を置いていました。光夫と光央の微妙な関係のままでいた方がいいかと思って。淵上さんも120%の力を入れて光夫を作り上げてクランクインしていましたから、距離を置くという僕の考えを察してくださったのでよかったです。2人とも役に入り込んでいたので、ラブシーンもお互い全然抵抗はなかった。内田監督は「男同士だし、照れもあるだろう」と思っていたそうですが、僕らはラブシーンも最初から思い切りいきました。監督は「驚いたけど、うれしかった」と言っていましたね。
――今作で俳優としての田中さんに驚く方も続出しそうですし、所属するBOYS AND MENに興味を持つきっかけにもなりそうです。東海地区でBOYS AND MENはすでに大人気ですが、田中さんはグループの中でどういう存在だと思いますか?
田中 結成7年目とはいえ、みんなBOYS AND MENに入った時期はバラバラで、僕は初期メンバーです。みんなからはステージで「アニキ」と紹介されることが多いです。全体を支える存在だと思ってくれているみたいで、背中を見せるじゃないけど、ちゃんと自分のやるべきことをやって、後輩たちの手本にならないといけないと責任を感じています。
――BOYS AND MENの初期はどんな感じだったのでしょうか。
田中 僕らは今でも、自分たちの出演する舞台のチラシを街で配ったりしているのですが、結成して間もないときは、イベントのチラシを配っても誰も見向きもしてくれなくて、破られることもありました。イベントといっても、電気屋さんの前で、踊るどころか、サイドステップしかできないくらいの狭いスペース(笑)。マイクもないので裸声でやっていました。でも「やる気はすごいあるぜ!」と必死でしたね。
それが今は、東海地方でレギュラーを20本くらい持てるようになり、女性だけでなく、最近は男性ファンも増えました。僕らのやりたいことは、ファンの方たちを楽しませること。100%カッコつけるようなことはせず「ボイメンは楽しい」と思われたいし、唯一無二の存在になりたいですね。