桂歌丸、入院中の病室内でも「いま、幕が上がったね」――関係者が語る“落語への情熱”
人気番組『笑点』(日本テレビ系)の前身番組『金曜夜席』の第1回放送から出演し続けてきた落語家の桂歌丸(80)が、5代目を務めた『笑点』司会を降板して大きな話題になったのは昨年の5月だった。『笑点』が50周年を迎える節目だったが、ここ数年、慢性閉塞性肺疾患、帯状疱疹、腸閉塞、肺炎などの病気で入退院を繰り返してきたことも、降板の大きな理由だったのだろう。引退を考えたこともあったようだが、4歳年上の冨士子夫人から「あなたが落語辞めたら張り合いがなくなる」と、説得されて現役続行を決めたと話していた。
そんな歌丸が4月16日、肺炎のため横浜市内の病院に入院し、11日から出演していた東京・国立演芸場での寄席を、最終日の20日まで休演することになった。5月いっぱいまでは体調の様子を見るようだが、6月24日に行われる、宮城・ 松島「瑞厳寺」での公演には意欲を燃やしているという。
歌丸の落語にかける情熱は、人一倍強い。そして、歌丸の心意気を周囲のみんなも知っている。「瑞巌寺」での歌丸公演の実行委員は、「ご本人は『短い落語は嫌だ、古典をしたい』と言っています。体力の問題もあるので、大丈夫か心配していますが、歌丸さんは、ホントに気丈。鼻に酸素吸入チューブが入っていましたが、気力に溢れていました」と語る。
確かに、3月4日に大阪で行われた桂文枝(73)の「芸能生活50周年記念公演」にゲスト出演したときも、鼻にチューブが入ったままで高座に上がっていた。宮城の公演は、「仙台歌丸後援会」の主催だから、なおさら気合が入っているのかもしれない。
入院中の歌丸だが、弟子の桂歌助(54)いわく「意識はしっかりしています」という。病室で、「(チケットを買った)お客さんに申し訳ない」と謝罪を口にし、また開演の時間になると、「いま、幕が上がったね」と寂しそうにも話しているそうだ。高齢だけに心配だが、全国には待っているファンが大勢いる。まだまだ洒脱な落語を聞かせてほしい。