朝ドラ『ひよっこ』、「いばらき・いばらぎ問題」をシリアスに描きだす脚本に「切ない」の声
ニッポンのお茶の間をわかし続ける国民的番組“朝ドラ”――そのあらすじと視聴者からの反響を、サイゾーウーマンが週2回(火・金曜日)お届けします!
『ひよっこ』(NHK総合/月~土、午前8時) 茨城県北西部の村に生まれたヒロイン・谷田部みね子(有村架純)が主人公。みね子が集団就職での上京を経て、様々な経験を積みながら自分の殻を破っていく姿を描いた成長物語だ。
■4月12日(水)/9話~4月14日(金)/11話
9話では、村での聖火リレー開催のために奔走するみね子たちの奮闘が描かれた。また、家には父・実(沢村一樹)への郵送物が「住所不明」で戻ってきたことで不安に駆られる母・美代子(木村佳乃)の姿が。実が住む東京の出稼ぎ労働者たちの宿舎に電話をかけたところ、荷物も置いて失踪したと聞かされる。
10話では、実の失踪を知り、美代子、祖父・茂(古谷一行)、そして叔父の宗男(峯田和伸)はこれからどうするのか話し合うことに。強がって明るく振る舞う美代子だったが、宗男に背を押され東京へ向かうことを決める。一方、何も知らされていないみね子は、母と祖父の様子がおかしいことに漠然とした不安を感じていた。
11話でみね子は、バスの運転手の言葉から、「福島の親戚の家に行く」と言っていた母の言葉が嘘だったことを知り、祖父に「何があったのか」と問いかける。一方、実を探すために東京に向かった美代子は、そこで出稼ぎ労働者の直面している厳しい現実を目の当たりにする。さらに捜索届を出しに向かった警察署でも、「よくあること」とおざなりな対応を受けるのだった。
11話で注目を集めたのは、思わぬ形で登場した「いばらき・いばらぎ問題」。「いばらき」を「いばらぎ」、実を「谷田部実」ではなく「出稼ぎ労働者」と呼ぶ警官に、美代子は「いばらぎじゃありません。いばら“き”です」「出稼ぎ労働者ではなく、谷田部実という人間を探してほしい」「ちゃんと名前がある」と訴えかける。このシーンには、視聴者から「両方ともちゃんとした名前があるんだって訴えるお母さんに胸がしめつけられる」「都会の人には、ちょっとしたことでも、当事者にとっては大きな問題なんだよ」「よくネタにされる『いばらき・いばらぎ問題』が、こんなに切実なシーンになるとは……」との声が続出した。
視聴率面では苦戦しているものの、内容は好評な『ひよっこ』だが、今週11日には20.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を獲得。これから視聴率伸ばしていけるのか要注目だ。