呑兵衛必見、貼るだけで二日酔いを防ぐ「二日酔い予防パッチ」の効果を医師に聞く!
体に貼るだけで二日酔いが予防できる、「二日酔い予防パッチ」なる夢のような製品が一部の酒好きの間で話題になっている。日本ではまだ流通しておらず、現状では個人輸入代行サイトなどで手に入れる形だ。HANGOVER PATCHなどの名称で販売されている2商品を取り寄せ、成分を見てみると、どちらもほぼ「ビタミン各種」で構成されている。ビタミンがなぜ二日酔いにいいのだろうか。「二日酔い回復点滴」をメニューとして提供しているシロノクリニック銀座院副院長笠井美貴子医師に、二日酔い予防パッチの有効性、そして二日酔いにおけるビタミンや点滴について、前後編にわたって話を伺った。
■二日酔い予防パッチは、アルコールを分解する効果ナシ
――二日酔い予防パッチの主成分を見るとビタミンが中心です。これがなぜ、二日酔いの予防になるのでしょうか。
笠井美貴子医師(以下、笠井) 二日酔いはなぜ起きるのかというお話からしますね。アルコールは肝臓で分解される際に、アセトアルデヒドという物質が生成され、これが頭痛や吐き気を引き起こしたりするんです。いわゆる「お酒が強い/弱い」は、アセトアルデヒドを分解できる酵素の活性が高いかどうかです。日本人の場合、高い活性の酵素を持っている人の方が少なくて30%くらい。全然持っていない方も何割かいて、ちょっと飲んだだけで顔が真っ赤になったりします。「弱いけれど飲める」人は少しだけ酵素を持っています。もちろん、酵素を持っているからといって大量に摂取すると肝臓の処理が追い付かず、二日酔いになってしまいますが。
――生まれた段階で、アセトアルデヒドを分解できる酵素があるなしは決まっているんですか?
笠井 はい。なお、白人だとかなり多くの方がアセトアルデヒドを分解できる高い活性の酵素を持っているから、お酒に強いんです。さて、そこで「二日酔い予防パッチ」を見ると、主成分はビタミンですよね。ビタミンにはアセトアルデヒドを分解する効果はないんです。
(※二日酔いパッチにはいくつかの種類があるが、笠井医師には「THE HANGOVER PATCH」を見てもらっている)
――ないんですか!?
笠井 はい。ただ、アルコールは利尿作用があるのでトイレに行きたくなりますよね。飲酒時は、自分で気づかないうちに脱水症状になっていることが多いんです。ビタミンBとCは水溶性のビタミンなので、脱水になると、これらも体から出ていってしまいます。
ビタミンが主成分の二日酔い予防パッチは、「アセトアルデヒドに対する対策」ではなく「脱水で失われるビタミンを補うことで体調が整う」効果が期待できます。何もパッチに限らず、お酒を飲んだあとは脱水対策としてビタミンのサプリとお水を摂取するといいですよ。
ただ、二日酔いになってしまうと気持ち悪くなるので、そもそもお水やサプリが飲めなくなってしまいますよね。一方、パッチなら体に貼るとゆっくりゆっくり浸透していって持ちがいいという利点はあります。