芸能
石川敏男の芸能デスクレポート

「視聴率取れなければフジ大打撃」嵐・相葉雅紀『貴族探偵』が、業界で注視されている理由

2017/04/06 19:25
『貴族探偵』(フジテレビ系)公式サイトより

 ドラマ視聴率の低下がささやかれ出して久しい。一昔前まで、民放の人気ドラマといえば最低でも20%超、30%以上を取る作品もあったが、2017年、現在までの単話最高視聴率は、水谷豊主演『相棒season15』(テレビ朝日系)の第10話17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だという。ちなみにベスト2位以下は、木村拓哉『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)の16.0%(第10話)、吉高由里子『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)の13.8%(第1話)、沢口靖子『科捜研の女』(テレビ朝日系)の13.7%(第5話)、草なぎ剛『嘘の戦争』(フジテレビ系)の12.0%(第2話)となっている。

 テレビ局にしたら、こんな低視聴率ではやっていられない。当然、製作スタッフのギャラは値切られ、仕事量だけが増えている。だからこれからも、テレビ局は、安上がりなバラエティやクイズ番組の製作に走ることとなるだろう。

 ドラマ出演者に魅力がないのかといえば、そんなことはない。『A LIFE』は木村のほかにも、竹内結子、浅野忠信、松山ケンイチ、木村文乃といった主演クラスの俳優・女優陣が名を連ねている。加えて内容についても、好評の声が目立っていたように思う。

 ドラマ視聴率の低迷は、一概に出演者や内容の問題ではなく、テレビが大型化し、簡単に録画できるシステムが取り込まれた影響も大きい。「ドラマはリアルタイム視聴したい」という人より、「ドラマは時間のあるときにじっくり見たい」という人の方が、今では圧倒的に多いだろう。それでも「すぐに見たいと思ってもらえるドラマが作れれば、視聴率は取れる……」と、ドラマ製作者たちは信じているのだ。

 そんな中、いよいよ4月ドラマがスタートする。業界内で最も注目されているのが、嵐・相葉雅紀の月9ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)で、相葉のほか、武井咲、生瀬勝久、中山美穂、井川遥といった豪華キャストが出演するという。月9は、かつて『HERO』『ラブジェネレーション』『ロングバケーション』など、木村の代表作を生んだフジの“鉄板枠”だったが、1月期の西内まりや『突然ですが、明日結婚します』は全話平均6.7%と大爆死していた。さまざまな人気俳優・女優に出演オファーを断られ続けた影響で、ネームバリューの低いキャストしか集まらず、さらに内容も「穴だらけ」と酷評されてしまった。『突然ですが~』に比べ、フジが『貴族探偵』の方に力を注いでいるのは火を見るより明らかだが、もしこれで視聴率が取れなければ、『突然ですが~』の大コケ以上の大打撃を食らうこととなる。

 果たして、春ドラマで笑うのはどこの局になるだろう。

石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。

最終更新:2017/04/06 19:30
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