コラム
【連載】日本を捨てる女性たち

タイ語学校の学生からステップアップで現地社長に! ゴルフ三昧で優雅に暮らす女性【日本を捨てる女性たち】

2017/03/08 15:00

■人の紹介で条件のいい会社に転職

広いリビングを備えるコンドミニアムが彼女の「城」

 そして言葉がわかるようになり、暮らしに慣れる頃に、仕事の話が舞い込んでくるのも、タイの日本人社会なのだ。

「そろそろお金がなくなってきて、やばい、あと2カ月しか暮らせない……と焦ったのですが、そんなときに人づてで小さな会社を紹介されたんです。ペット用品を扱う商社で、タイ人の中で日本人は私ひとりだけ。タイで生産したペットシーツや猫缶を、日本に輸出する仕事でした」

 そこで1年ほど働いた後に、条件のいい会社に転職。やはり人の紹介だった。

「タイでも、日系の人材会社に登録する方法もありますが、人の縁でつながっていくことのほうが多いかもしれません」

 次の会社は、タイにいくつかある日系コールセンターだった。すぐに働きぶりが認められて、現場ではなく会社全体を見渡す管理職を任されるようになる。

「この頃から、タイに進出してくる日系企業がどんどん増えてきました。それに合わせて在住日本人向けのサービス業が一気に広がりました。例えば病院でも、電化製品の修理でも、日本語でサービスが受けられるようになってきたんです」

 日本食でもう食べられないものはない、というまでに普及。

「ふつうの豆腐はタイでもたくさん種類がありますが、私が好きだったのは『男前豆腐』。たまに日本に一時帰国するときの楽しみだったんですが、これも今ではフジスーパー(バンコクに4店舗展開する日系スーパー)で売ってる(笑)。日本よりちょっと高いけど」

 タイののんびりさと、日本のサービス。バンコクはいつの間にか、日本人にとって「いいとこどり」の街になっていた。

「一般のタイ・ローカルな暮らしではないですよね。でもこれほど日本人が暮らしやすい、ラクな街はないと思います」

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