堀北真希があこがれる、「山口百恵」的専業主婦に必要不可欠なモノ
愛に餓えた少女が、愛にあふれた家庭を専業主婦として作ろうと、相手に愛情を注ぐものの、なぜかうまくいかない――これは、“愛にあふれた家庭”が、愛で作られていないからではないだろうか。それでは百恵的専業主婦に必要なものは何かというと、カネなのではないかと思う。
良い夫の代名詞ともいわれる三浦だが、自身の自伝的人生論『相性』(小学館)の中で、見込み違いの投資をして、長い間ローンを払っていたと明かしており、それについて百恵は一言も文句を言わなかったそうだ。また、三浦は結婚してから30代まであまり仕事がなく、収入は激減。マスコミには“山口百恵のヒモ”と揶揄されたものの、百恵が三浦を責めることはなかったという。“夫を責めない妻”というのは、マスコミ受けする美談だが、専業主婦にとって夫が稼いでこないことは死活問題だ。
が、ここで思い出すのが、かつての「週刊文春」(文藝春秋)の記事である。ホリプロの功労者である百恵と事務所の関係は良好で、引退後も一種の“年金”として、定期的にヒットコレクションが発売されるなどして、百恵は引退後も年間1000万円以上の印税収入を得ているという内容だった。この記事が正しいとすると、それだけの収入があれば、最低限の生活はできるわけだから、確かに夫を責める必要はなくなるだろう。実家が資産家だったり、不動産収入がある人は、生活が派手でなくてもなんとなく余裕が感じられるが、この余裕こそ、家庭円満に必要不可欠なものなのだ。ちなみに、堀北は女優だが、“年金”は歌手ほどおいしくはなく、出演したドラマがDVD化され、どれだけ売れようとも、追加でギャラが支払われることは基本的にないそうである。
もう1つ、百恵的専業主婦に欠かせないのは「浮気をしない夫」だ。今まで三浦夫妻が理想の夫婦としてもてはやされてきたのは、三浦の浮気が露見していないからだろう(もし浮気が明らかになったら、しっかり家庭を守る妻と、それに感謝して愛し続ける夫と言う図式が崩れてしまう)。
堀北の夫、俳優・山本耕史は、独身時代プレイボーイとして知られ、脈のない堀北も果敢にアプローチして強引に結婚に持ち込んだ猛者である。難易度が高ければ高いほど燃える人が、1人の女性で満足できるかどうか。堀北の引退を「本人が望んできたことなので」と他人事のように語っていた山本。堀北が百恵になれるかどうかは、実は今後の山本次第である。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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