「マジで間抜けな奴」! アカデミー賞でも、ジミー・キンメルのマット・デイモンいじりが炸裂
■オープニングから攻撃スタート
ジミーはオープニングを飾るトークで、トランプ新大統領をめぐって分裂しているアメリカの現状について触れ、「この国を1つにまとめるためには、我々国民が団結しようと努力するしかない」という持論を展開。そして「私も、問題を抱えてきた人と和解したいと思います」と早々に攻撃を仕掛ける。カメラはここで「やっぱりきたか」と構えるような表情のマットを映し出し、ジミーは「(その人とは)マット・デイモンです」「マットとはかなり前からの付き合いなんです。初めてマットに会った時は、私の方が太ってたんですよ」と、中年太りし始めたマットのことをさりげなくディス。観客席のマットは口を固くつぐみ、その言葉に「間違ってはないな」というふうにうなずいて見せた。
続けてジミーはマットを称賛したいと言いだし、「ご存じの方も多いと思いますが、マットは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に主演することができたんです。その作品は、マットがプロデュースしたもので、今回のアカデミー賞には、主演男優賞を含む6部門にノミネートされています」と説明。「彼はその役を、幼少時代からの友人であるケイシー・アフレックに譲ったんです。アカデミー賞にノミネートされることになった素晴らしい役を友人に譲り、自分は“チャイニーズ・ポニーテール映画”に出たんですよ」とジャブを放った。
この「チャイニーズ・ポニーテール映画」とは、マット主演の新作『グレートウォール』のこと。中国・万里の長城が舞台で、マットは“長髪を後ろで1つに結んだ”古代戦士を演じている。見応えある大作だと評価される一方、中国語版ラジー賞に共演者のアンディ・ラウがノミネートされるなど、微妙な評価もされている作品なのだ。『グレートウォール』のことを「チャイニーズ・ポニーテール映画」と言われたマットは下を向いて失笑。そして、前に座っているケイシーの伸びた髪を触り、「こいつもポニーテールじゃないか」とカメラに向かってアピールした。
ジミーはお構いなしに「その『グレートウォール』はですね。8000万ドル(約90億円)の大損を出したんです。いや、お見事。マジで間抜けな奴です」とディス。称賛すると言いながら最後にはお決まりのマットけなしをしたことに、観客は大喜びした。
■わざわざマットをおとしめるVTRを作成
脚本賞発表前には、ジミーが映画『幸せへのキセキ』(11)でのマットの熱演を批評すると見せかけ、ディスりまくるコント映像が流された。同作は、マット演じる妻を亡くしたシングルファーザーが家族のために動物公園付きの広大な家を購入し、動物園の運営に奮闘する姿を描いた、実話に基づいた感動作。ジミーは以前から、この作品をネタにマットをイジってきた。
コント映像では、まず「『幸せへのキセキ』を知ったのは(カリフォルニア州)バーバンクのマルチプレックス(映画館)だったんです」「映画館は見事にガラガラで、まるで魔法がかけられたようでした。ここにいるのは、私とマットと動物たちだけという錯覚に陥りました」と言いながら、映画館でたった1人で『幸せへのキセキ』を鑑賞するジミーの姿が映し出される。
劇中、「なんでこんな所を買ったの?」と聞くスカーレット・ヨハンソンに、マットが「Why not?(いいじゃないか)」と答えるシーンが流れ、ジミーはスクリーンのマットを見つめながら、「2つの単語が、まるで3つあるように表現しますよねぇ」とマットの演技をバカにする。また、「よくこんな所を家だなんて呼べるな」と言われ、「いや。あのな、こういうことなんだよ。“こんな所”がオレたちの家なんだ」とマットが真面目な表情で返すシーンが流れると、ジミーも「ここで彼は、相手の言葉を聞き取り、オウム返しするという能力を披露している」と真面目な表情で解説。続けて、息子相手に泣きながら感情をぶつけるシーンが流れ、ジミーは「マットの演技からは、努力している様子が見て取れる。本当に精いっぱい努力しているんだって伝わってくる」と分析。「鳥肌が立つよ。もう何百回も見てるけど、それでも鳥肌が立つ」と首を振りながら言う。そして、最後のシーンが流れた後、「マットという男には、才能はない。でも成功させてしまう、そんな能力があるんだ」と、信じられないという表情で最大にディスった。