グラミー賞の黒人差別が叫ばれる中、ザ・ゲームが「アデルは最高だ、ブロウ!」と才能を絶賛
米大手ゴシップ芸能サイト「TMZ」から「アデルが最優秀アルバム賞を制しましたね」と突撃取材されたゲームは、「『アデルのことが気に入らねぇ』とか言わせたいんだろ? オレはオマエらのために『アデルはフ●ッキングだ』とか言わねぇよ」と強い口調で言い、「オレはさ、アデルのことフ●ッキングなくらいに好きなんだ」と激白。「アデルは(賞を)獲るべくして獲ったんだぜ」「だって、彼女は、『ハロー・フロム・ジ・アザー・サイド』って言ったんだぜ、ブロウ(ブラザーを略した俗語)!」「お前さん、アルバムを制作して『ハロー・フロム・ジ・アザー・サイド』って言ったことあるのかよ」とパパラッチに逆質問した。
パパラッチが小さな声で「いいえ……」と答えると、ゲームはしてやったりという表情になり、「だろうよ、アデルがやったんだからよ」「エイリアンでもねぇのに『ハロー・フロム・ジ・アザー・サイド』って言うフ●ックがどこにいるんだよ」「彼女は(最優秀アルバム賞を)獲るに値するんだよ。彼女は次元が違うんだよ」と、ニコニコしながら持論を展開。悪い意味ではなく、最高という意味でフ●ックという言葉を使った。
ちなみに「アザー・サイド」には「向こう側」のほかに、「未知の世界」「あの世」「死後の世界」という意味がある。アデルは世界的に大ヒットした曲「Hello」で、「(受話器の)向こう側から(あなたに)呼びかける」と叙情的な意味合いで使っている。
パパラッチが「でもクイーンを負かしたんですよ?」と言うと、「クイーンって、クイーンB(ビヨンセ)のことかよ」と確認した上で、息を深く吸ってカメラに向かい、「おう、アデル! アデルの野郎よ!」と声を荒らげ、シャドウボクシングをする。が、すぐに笑顔になり、「っていうかよ。ビヨンセは何兆個もの賞を獲得している。アデルも何兆個もの賞を獲得している。アデルは、自分の競争相手は、世界の中でビヨンセただ1人だけだと確信しているはず。ビヨンセも、自分の競争相手はアデルしかいないと知ってるはずだ」とパパラッチを諭すように説明。どっちが勝ってもおかしくないんだから、野暮なこと言うなよというふうに首を振った。
ゲームのアデル擁護発言を聞き、ネット上では今回の受賞に納得する人も。今回受賞したアデルのアルバム『25』(15年11月発売)は、音楽チャートにおける記録を次々と塗り替えた。173万枚と、16年にアメリカで最も売れたアルバムにも輝いた。ビヨンセの『Lemonade』(16年4月発売)も155万枚を売り上げたが、数字の上ではアデルに負けている。ゲームの言葉通り、どちらが勝ってもおかしくなかった。アデルの方がセールスや記録面で少し勝っていたのが考慮された可能性もある。ギャングスタ・ラッパーのスヌープ・ドッグと共に「黒人の命も大切だ(Black Lives Matter)」活動に積極的に参加しているゲームだからこそ、なんでもかんでも人種差別につなげるのは危険だと言いたかったのかもしれない。