決着はいつになるのか?

築地市場移転問題の“ウラ側”ーー議員秘書が考える地方議員の選び方

2017/02/15 15:00
tsukiji1
Photo by Marufish from Flickr

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 小池百合子都知事がこだわっている築地市場の豊洲移転問題。ベンゼンの濃度が基準値をオーバーしていることをペンディングの理由に挙げていますが、どこに着地点を見いだしているのか、不審に思っています。

■築地にも問題は山積

 築地市場で働いている人たち、視察した人たちは、全員が築地市場の限界を指摘します。つまり、あの場所で取引を続けていくことは、ありえない状況なんですよ。神澤も視察に何度か同行していますが、マグロが並べられている脇を大きな大きなネズミが走っていますし、通路も狭くて、衛生や防災面でとても問題があります。小池都知事もそれは十分にわかっておられるはずなのですが……。

 新しく建設したのだから、当然といえば当然ですが、現在の築地市場と豊洲市場のスペックを比べたら、格段に豊洲市場の方が上です。もし、これで豊洲市場への移転を撤回し、ほかへの移転を考えるようなら、何年先になるのでしょうか? 


 確かに豊洲市場への移転については、平成14年に移転へ向けての協議会が設置された直後から、東京ガスの敷地だったということもあり、安全面での問題が指摘されていたのは事実です。民主党(当時)も「移転地としてふさわしくない」と国会でも追及していましたが、最終的には豊洲に決まったのですから、進めるべきですね。これから、また予定地の選定からスタートなどとなったら、日本の食文化はどうなってしまうのか、とても心配です。

■築地に興味がなかった国会議員時代の小池さん

 ところで、現在はともかく、国会議員時代の小池さんはこの問題についてどうお考えだったのでしょうか? 本当に豊洲移転を問題視していたのなら、当時から委員会の質問等で問題提起すべきでしたよね。

 でも、小池さんの国会議員時代の委員会での、築地市場、豊洲移転問題に関する発言を会議録のデータベースで調査しても1件もヒットしませんし、日刊紙などのニュース記事のデータベースでも、小池さんの発言を見つけることはできませんでした。つまり小池さんは、もともとは豊洲移転問題には関心がなく、都知事になって、「都議会=敵」というわかりやすい対立構造を生み出すために、豊洲移転問題を利用しているといわれても仕方ないのです。

 私見ですが、一日も早い豊洲市場への移転が現実的だと思います。こうしている現在も毎日、300万円以上の維持費がかかっているといわれていますし、宙ぶらりんでいる業者の皆さんの生活もかかっています。


 移転と、移転を決定した経緯や建設における不審な点についての問題とは切り離して、計画を進めていく方が効率的ですね。築地の現状を考えれば、これ以上移転計画を先延ばしにすることはできないはずなのですが、小池さんは、いったいどこを見ているのでしょう?

築地移転の闇をひらく