熟女キャバクラ急増のワケとは? いま求められる“熟女”力
■昼キャバから始まった熟女需要
「昼キャバ客のターゲット層は、定年退職者などの高齢者。それに合わせ、通常よりも年齢の高い30代以上のキャストを採用しました。キャストのほとんどが、昼間子どもを預けられる主婦や、離婚歴のある子持ちの女性です。苦労している分、若いコにはできない気配りがあります。また、若いコに比べ、低コストで雇えるのも大きいです。生活がかかってる分、仕事熱心で、経験者も多いので、一から教えなくて済む。今や熟女は、若いキャバ嬢よりも経営者側にとって需要が高いといわれています」(熟女キャバクラ経営者)
昼間は30代前後のキャスト、夜は20代のキャストと二部制にすることで、一時、落ち込んでいた売り上げも同店では戻ってきたという。さらに二部(夜の営業)にも30代以上の女性を起用し、客層も幅広い年齢へと広げていった。そんな中、同氏が熟女キャバクラをつくるきっかけとなる出来事が起こったという。
「昨年から始まったマイナンバー制度の導入で、『昼の仕事にキャバクラの副業がバレてしまうのではないか』と、昼夜掛け持ちする副業キャバ嬢が一斉に辞めてしまいました。彼女らのほとんどが20代半ば頃から後半、店の中堅層といわれる年齢のキャストたちでした。結果、キャストの平均年齢が上がってしまったので、思い切って熟女キャバクラに変えることにしました」(同)
■クラブより安く、キャバクラより落ち着いた雰囲気
客に続き、働き手側にも「若者のキャバクラ離れ」が始まった。店は30代から40代のキャストをメインに集め、熟女キャバクラへと生まれ変わった。しかし、ただ年齢層が高いだけのキャバクラではいずれ飽きられてしまう。そこで秘策を打ち出した。
「銀座や北新地のクラブのように、接待で使ってもらえる店を目指しました。今まで企業の接待は、座って数万円する高級クラブが使われていましたが、1人のお客様に対して、ホステスが数人着くことがある。キャバクラの特徴である1対1の接客を武器にして、接待で使っていただけたらと。キャストの年齢自体は高級クラブのホステスと変わりません。教育を徹底的に行いました」(同)
この店では料金は指名しても、1人1時間1万円。ハウスボトルがあるので、クラブに比べると、かなり安い価格設定だ。
「料金もですが、クラブのような厳しさがないのも特長です。店内カラオケ禁止とか、出勤の時は必ずドレスにハイヒールとか、そういう規則はうちにはありません」(同)
働くキャストは、若いキャバ嬢やクラブホステスのような派手さはないが、背中のあいたロングドレスにショールといった落ち着いた衣装が主流だ。