ウーマンラッシュアワー・村本大輔、“女好き”なのに、なぜか「童貞」っぽいワケ
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の芸能人>
「一途な女、男が損をする」ウーマンラッシュアワー・村本大輔
『土曜The NIGHT』(Abema TV、2月4日)
童貞とは、なんだろうと考えることがある。
国語辞典によると、童貞とは「セックスの経験がない男性」と書いてある。しかし、素人童貞という言葉もある通り、風俗店で経験したとしても、まだ半分童貞扱いなのだ。ということは、「自分は童貞ではない」と主張するためには、2つの条件をクリアする必要になる。
1つめは、実際のセックスの経験。2つめは、金銭の授受なく、女性からセックスの合意を取り付ける魅力もしくはコミュニケーション能力を持っているか。金銭でセックスの経験が買えることから考えると、童貞にとって難しいのは、2つめの条件、とりわけコミュニケーション能力を手に入れることと言えるだろう。
童貞ではない条件を、上記の2つと仮定した場合、人気ドラマの主人公が本当に童貞なのかと疑問がわいてくる。2016年の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)、04年の『電車男』(フジテレビ系)は、どちらも恋愛に積極的でない童貞と美女のラブストーリーだが、彼らはセックスの経験がない代わりに、コミュニケーション能力は非常に高い。
『逃げ恥』で星野源が演じた津崎平匡は、雇用主でありながら新垣結衣演じる森山みくりを気遣うことを常に忘れないし(金を払っているのだから、相手に気遣いをする必要はないと考える人はいる)、『電車男』で伊藤淳史が演じた山田剛司は、危険も顧みず、よっぱらいにからまれていた見ず知らずの女性を助けようとする。ドラマだからと言ってしまえばそれまでだが、これだけのコミュニケーション能力があれば、女性はついてくるだろうし、彼らはあえて童貞でいるのではないかと思えてくる。
逆にセックスの経験があって、わかりやすい魅力があっても、コミュニケーション能力に難がある人のことを、童貞っぽいと私は感じる。お笑い芸人ウーマンラッシュアワー・村本大輔はその代表格である。人気芸人らしく、番組中グラビアアイドルに「口説かれました」と暴露されたり、「ファンを食う」と公言してはばからない。女性に貪欲な芸人は村本だけではないが、村本の特異な点は、嫉妬心や女性不信が異常に強いことである。