1歳の姪を引き取って半年、別れの日に「ママー」と近づく姿を振り返らずに帰りました
◎別れの日、姪が「ママー」と言って近づいてきた
私と同居人と姪で過ごした半年強の期間のことを、おそらく彼女は大人になっても思い出さないでしょう。でも、私にとっては忘れようがない記憶。彼女を引き取った時に、母ではなく伯母として接しようと決めていましたが、段々、本当の娘のような気がしてきて……その感情は複雑なものでしたが嫌ではありませんでした。
妹と約束した当日。姪との別れの日。私は2人で来た道を1人で帰ります。姪は私のことを「ママー」と呼んでいました。私が1人で帰ろうとすると「ママー」と言って近づいてきました。妹はそれを見ながら複雑な表情をしていました。私の顔はどうだったのでしょうか? それでも私が1人で帰ろうとすると姪は泣き出しました。私は後ろを振り返らずに立ち去りました。
妹とは多くを語りませんでした。私は彼女に何を言ったらいいかわからないし、妹もそうなのでしょう。今は、私の中で姪と過ごした時間をどう処理すればいいのかわかりません。でも時間がたてば全部良い思い出になるのだと思います。あの時あんなことがあったと笑える日が来るのだろうと。
家に帰り、同居人とビールを飲みながら、いろいろな事を話しました。
「本当いろいろありがとね」
「うーん、あっという間だったよね」
「嵐が過ぎ去った感じだわ」
「ずいぶん可愛い台風だった」
「爪痕があちこちに残っているし」
部屋には姪が読んでいた絵本、姪のお気に入りだった人形、あちこちに姪の痕跡が残っていました。同居人には迷惑をかけっぱなしでしたから、本当に感謝の言葉しかありません。先ほど、私は成長していないと言いましたが、ベビーカーを押している母親を見るといろいろ想像するようになったり、多少の変化がありました。人としての幅が広がったと前向きに自分の変化を解釈しています。
それでは拙い文でしたが連載を読んでくださりありがとうございました。これからはまた元の独り身四十路女に戻って人生エンジョイしていきます。チャオ!
ちかこ
東京都練馬区生まれのアラフォー。趣味は猫と節約とミステリー小説を読むこと。妹に代わり姪(1歳)を子育てしていました。
ブログ「四十路パート暮らし時給820円」