カルチャー
【連載】日本を捨てる女性たち

「日本がつらかったら、外に出てみればいい」ユルいペースで働けるタイで、ジムつきマンションに暮らす女性

2017/02/06 15:00
バンコクの会計事務所に勤める中山舞子さん

 近年、東南アジアに移住し、現地で仕事や生きがいを求める日本人女性が急増している。アジアで活躍し、日本にいるときよりも、はるかに生き生きと暮らす女性たちを紹介していくシリーズ。

○第2回
中山舞子さん(仮名・39)タイ・バンコク在住
会計事務所勤務

■日本しか知らないと、違う価値観があることにも気づけない

「女だったら化粧しなきゃとか、眉毛整えてとか、ちゃんとした格好してないと日本ではダメ扱いじゃないですか」

 そう語る彼女のそばを、ラフなTシャツとサンダル履きの女性が歩いていく。向かう先はタイの首都バンコク屈指の高級ショッピングモール「エムクオーティエ」だ。

「タイの暮らしには気取りがないんです。日本のようにきっちりしている必要はないし、適当で生きていける。日本は社会の目が厳しすぎるし、日本人はまじめすぎますよ」

 日本のストレスフルな、世間とやらをいつも気にする横並び社会。

「自分では気がついていないまま『パブリック・プレッシャー』にやられている日本人はたくさんいると思うんです。でも、日本しか知らないと、ほかに行き場がないし、違う価値観があることにも気づけない」

 中山舞子さんも、タイに来て初めて、日本がいかに世界的に見て「きつい」社会であるかを知った。

「『まあいっか!』で生きていけるのがタイなんです」

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