コラム
角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第129回

プライドが高すぎる、偏見持ち……こんなにいる「困ったちゃんシッター」

2017/02/04 16:00

■高級マンション以外を嫌がるシッター

 現在ほとんどが港区周辺の高級マンションでの仕事なのですが、中には違うエリアで普通のお宅もあります。庶民的なお家でも(さすがに「○○荘」みたいなところはないです)、ちゃんとお支払いをしていただければ問題はなく、会社にとっては誰でも大事なお客様です。私自身も平等に対応しているのですが、保育士資格のあるシッターが遠まわしに嫌がってきました。一度お伺いした時にもう二度と行くまいと思ったのか、驚愕のへんてこメールがきました! ちなみにこのお宅、当社で30回くらいお伺いしている優良お客様です。

「申し上げにくいのですが、御宅の感じから、なにかあった場合、『補償しろ!』と困らせてくるかもしれないと、家族に強く言われてしまいました」

 保育士なら、会社が保険を掛けていることぐらい知っているだろうし、家族を理由にするところが腹立たしくて、即クビにしました。美人で有資格者でしたが、偏見でものを見る人に、大事な子どもの命を託したくありません。「有名人やお金持ちのシッターしている私」が好きなのでしょうか。ベビーシッターは自分が優越感に浸る手段ではなく、お子様のためにあるんですよ!

 現在、新園「衾の森こども園」と「駒沢の森こども園」の求人を行っているのですが、「タレント保育士がいる園」としてメディアで取り上げられたこともあり、芸能界を夢見る保育士が応募してきたり(“夢見る”がポイント)、困ったちゃんが来たり、毎日面白いです。ほかのスタッフが「芸能界を夢見るメンタルが羨ましい」と感想を言っていたのが印象的でした。何歳になっても夢を持つのは自由ですが、いま現在夢に向かって何かしているなら別だけど、絶世の美女でもないのに、賞味期限のある夢を20代後半で持つメンタル……私は大いに評価します! どうかメンヘラちゃんだけは来ませんように。不採用になったら、口コミや掲示板を荒らしそうですね。

角川慶子(かどかわ・けいこ)

1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月に「駒沢の森こども園」、2016年4月からは派遣ベビーシッター「森のナーサリー」をオープンさせる。家庭では9歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2017/02/04 16:00
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