ジェームズ・キャメロン監督、「『タイタニック』のジャックは助かったのでは?」の質問にイラッ!
『ターミネーター』(1984)の脚本と監督で注目を集め、『エイリアン2』(86)、『アバター』(2009)など数多くのメガヒット作を手がけてきた巨匠ジェームズ・キャメロン監督。海とSFを愛する彼は、壮大なドキュメンタリー番組を制作することでも知られている。そんなジェームズが、米ナショナルジオグラフィック・チャンネルで1月29日にプレミア放送された『Atlantis Rising』のプロモーションのため、米大手ニュースサイト「The Daily Beast」のインタビューに応じ、海底探検への思いを熱く語った。
同番組は「伝説の超古代文明アトランティスが沈んでいる海を探す」というロマンあふれる冒険ドキュメンタリー。ジェームズは番組の制作総指揮を務め、探検・調査にも参加している。ジェームズはインタビューの中で、深海探査の道筋をつけてくれたのは20年前に世界的な大ヒットとなった映画『タイタニック』(97)だと発言。「『タイタニック』は悲劇のラブストーリーを伝えるために製作した。でも難破船を探究し、リアルに描きたいという強い気持ちもあったんだ」と明かした。
これに対してインタビュアーは「『タイタニック』といえば、ぜひともお聞きしたいことが!」「長い間、みんなが疑問に思ってきた、“板にはジャック(レオナルド・ディカプリオが演じた役)が乗れる余裕もあったんじゃないのか。助かる可能性もあったんじゃないか”という件なんですが」と切り出した。
映画終盤、豪華客船タイタニック号が沈み、海に放り出される形となったジャックとローズ(ケイト・ウィンスレット)は浮遊していた船のドアにたどり着く。ドアは2人の体重を支えきれなかったため、ジャックは愛するローズだけを乗せ、自分は海に浸り、ドアにしがみつくローズを励ましながら救助を待つ。ところが、あまりの寒さにジャックは凍死。海の底に沈んでいくというシーンがあり、インタビュアーはこのことを指しているのだ。
インタビュアーは、長年ファンの間で議論されてきた質問をジェームズにぶつけ、「実際(2人を乗せる)余裕があったのなら、『その通り』、というお言葉が聞きたいのですが」と迫る。ジェームズは「その話をするのかい?」と笑いながら、「いいかい? とっても、とってもシンプルな話なんだ。台本の147ページに『ジャックは板から降り、彼女が生き延びれらるようスペースを譲る』と書いてあるんだよ」と冷たく言い放ち、「どうだ、シンプルだろう」と念を押すように繰り返した。
そして、「事後分析したければ、どうぞご自由に。君が話しているのは『怪しい伝説』で放送されたエピソードのことだろう?」と、12年に放送された検証番組『怪しい伝説』シーズン10第14話「Titanic Survival」について語りだした。ジェームズは「OK、じゃ、やってみよう。君がジャックで、君はマイナス2度の水の中に浸かっている。君は次第に低体温に陥っていく。『怪しい伝説』は、ここで君とローズのライフジャケットを脱がせて、板の下に潜り込んで、それらを縛り付けるよう指示するんだよね。すぐに流されないように、どうにかしてしっかり縛り付けなければならない」と、「Titanic Survival」の検証内容について解説。