密会現場がラブホテルとビジネスホテルで「不倫の証拠」の価値は違う?
「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
<今回のテーマ>
袴田吉彦の不倫騒動
■ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルに不倫の証拠としての法的な違いはない
今年一発目の“ゲス不倫”案件として大きな話題となった、俳優・袴田吉彦と30歳の元グラビアアイドルとの不倫。2人で会うときに、袴田がビジネスホテルのアパホテルを利用していたことにも注目が集まったが、不倫の証拠としてビジネスホテルとシティホテルやラブホテルとに法的な違いはあるのだろうか? アディーレ法律事務所の村松優子弁護士に聞いた。
まず、ラブホテル、ビジネスホテル、シティホテルの間に「法的な違いは特にない」と村松弁護士は言う。
「どの種類のホテルであっても、健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた場合には、通常、当該男女が肉体関係を持ったと推認されます。そのため、『健全な男女が1室で2人きりで宿泊等していた』証拠がばっちり取得できれば、どの種類のホテルであっても不倫の証拠となり、その証拠の価値に違いは生じません」
しかし、それ以外の証拠、たとえば『ホテルのエントランスに2人が出入りした』証拠を押さえたとしても、その価値はホテルの種類によって変わってくるという。
「まず、ラブホテルの場合には、一般的に男女が肉体関係を持つためのホテルと認識されていますので、ラブホテルに男女が2人で入り、2人で出てきた場合には、時間帯問わず、それだけで当該2人が肉体関係を持ったことを裏付ける有力な証拠になります」
したがって、昨年、落語家の三遊亭円楽が40代女性とラブホテルに入っていく様子を撮影した『フライデー』(講談社)の写真は、明らかに不倫の証拠となるのだ。一方、今回の袴田のように、ビジネスホテルを利用した場合、もしエントランスに2人で入り、2人で出てきた写真があったとしても、「別の部屋に泊まっていた」という言い訳が成り立つため、それだけでただちに不倫の有力な証拠にはならないという。
「その場合、2人が同じ部屋に入室をして、出てきた(同じ部屋に泊まっていた)という証拠等で補強しなければならないケースもあります。同様に、シティホテルの場合には、別の部屋であるとの言い訳に加え、ホテル内のレストランで食事をしてきたという言い訳も考えられますので、同じく同じ部屋に入室していたこととその滞在時間などを他の証拠で補強しなければならないケースがあります」
ということは、今後、芸能人の不倫現場として、カモフラージュしやすく、比較的リーズナブルなビジネスホテルの利用が増えるのかもしれない!?