海外
オバマの方が異質だったってことか!

ドナルド・トランプ、就任式がしょぼくても“スターから総スカン”でも問題ないワケ

2017/01/16 19:30

 KISSのジーン・シモンズの妻・シャノンは、「“パフォーマンスしてほしい”とのオファーを受けたけど、残念なことに夫はヨーロッパツアー中なので、お断りしました」とツイート。ドナルドの長年の友人で音楽家のデイヴィッド・フォスターも依頼されたが、彼が力を入れているチャリティーの支援者にはヒラリー好きが多いため「チャリティー活動に影響が出るから」断ったと報じられた。

 しかし昨年末、ドナルドの元を電撃訪問したカニエ・ウェストだけが、唯一「就任式でパフォーマンスをやりたい」と申し出ているという情報が流れ、「屈辱的なMVを作った、精神的に不安定なカニエに頼むしかないのか」「措置入院させられたような、ぶっ飛んだ男しか手を挙げないんだな」などと、バカにする声が上がるようになった。

 そんな中、オーディション番組から歌手デビューし、「天使の歌声」だと大絶賛されている16歳のジャッキー・エヴァンコが、大統領就任式で国歌斉唱することを発表。さすがに未成年を攻撃するのはマズいと思ったのか、メディアは淡々とこのことを報じた。

 また、大統領就任式に何度も招待されているユタ州のモルモンタバナクル合唱団や、ダンスカンパニーのラジオ・シティ・ロケッツもパフォーマンスを行うと発表。しかし、メディアは「それぞれ何人かのメンバーは、出演を拒否した」という情報も伝えている。

 この発表を受けて「しょぼい」と感じている人が多いようだが、実はそんなことはない。大統領就任式は「国民に向けて厳かに行われる歴史的な一大行事」であるため、歴代、国歌斉唱やパフォーマンスを行うのは、オペラ歌手や軍の音楽関係者が多い。そのため、ドナルドが売れっ子のスーパースターたちに総スカンを食らっていても、特に恥をかくことはないのである。

 1993年のビル・クリントン初の就任式ではオペラ歌手のマリリン・ホーンが、97年の2度目の就任式では黒人指導者として有名なジェシー・ジャクソンの娘で、歌手のサンティータ・ジャクソンが国歌斉唱を行っており、パフォーマンスはオペラ歌手のジェシー・ノーマンが行った。

 ジョージ・ブッシュの就任式では、2001年には米陸軍の軍人が、05年には米空軍の軍人が国歌斉唱を行っている。ちなみに、05年のパフォーマンスはオペラ歌手のスーザン・グラハムとデニス・グレイヴスが担当したが、ポップ歌手ではない。

 なお、09年のオバマ大統領の最初の就任式では、米海軍合唱隊が国歌斉唱を行ったが、パフォーマンスは「ソウルの女王」ことアレサ・フランクリンが行っており、これを機に「就任式ではスーパースターがパフォーマンスするもの」という空気が流れるようになったといえる。続いて13年の就任式では、ビヨンセが国歌をシャウトし、ロックの殿堂入りしているグラミー賞歌手で大御所のジェームス・テイラーがパフォーマンスを行ったため、「スーパースターが歌って当然」という風潮になったのだ。

 そのため、ドナルドの就任式にスターがいなかったところで騒ぎ立てるようなことでもないのだが、イタリアの盲目のテノール歌手で、アメリカでも熱狂的なファンが多いアンドレア・ボチェッリから、「(ドナルドのアンチから)殺人予告を受けた」としてパフォーマンスを断られたのは痛かっただろう。過激なアンチによる「就任式で歌ったら殺す」といった言動に対しては「殺人予告するアンチは卑怯」「他アーティストたちも、アンチからのバッシングが怖くてパフォーマンスに出られないに違いない」などと批判の声も上がっている。

 アンチが非常に多いドナルドだが、選挙で選ばれたのは紛れもない事実。そして、アメリカの空気も少しずつ変わってきているのである。昨年8月、クリント・イーストウッドが、「差別や偏見を常に気にしながら発言したり、言葉や表現に媚びるということには、もうみんなうんざりしてるんだよ」と発言し、「その点、ドナルドは正直な男だ」と評したように「権利、自由、平等を訴えるドナルドのアンチにはうんざり」「自由、自由と主張しているが、この国に発言の自由は、もはやない」という声が増えているのだ。そのため、暴言だと言われようが、自分の思っていることをストレートに語るドナルドを支持する人が集まったのだといえよう。

 ハリウッドを超える究極のエンターテインメントと呼ばれる世界最大のプロレス団体「WWE」。そのWWEの試合会場にいる興奮状態の観客たちのテンションを、さらに上げトランス状態に陥らせることができる驚異的な話術を持つ男・ドナルドである。20日の大統領就任式も、きっと歴史に刻まれる、すごい式典になるだろう。実に楽しみである。

最終更新:2017/01/16 19:30
アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  2. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 交際2年、溺愛彼氏だと発覚しました~破局寸前…のはずがナカイキHに同棲つき!?~
  5. エリート幼なじみの本性は一途で初恋を拗らせている
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト