ドラマ『嘘の戦争』で草なぎ剛が演じる詐欺師! どんな手口が罪になる?
「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
<今回のドラマ>
『嘘の戦争』(フジテレビ系/火曜日午後9時~)
■詐欺で捕まったら10年以下の懲役
1月10 日から放送開始となる草なぎ剛主演の連続ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系)。SMAP解散後初のメンバー主演作であり、脚本家や演出・プロデューサーなど、2015年に同じく草なぎ主演で放送されたドラマ『銭の戦争』(フジテレビ系)のスタッフが再集結した「復讐シリーズ第2弾」でもある。初回はタイ・バンコクでロケーション撮影を敢行するなど、放送前から話題となっている。
ストーリーは、一家心中に見せかけた殺人事件によって家族を亡くした主人公・浩一(草なぎ)が、成長して天才的な詐欺師となり、積年の恨みを晴らす復讐劇だが、今回重要な要素となっている「詐欺」という犯罪について、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。
「詐欺罪に当たる行為とは、『人を欺いて財物を交付させた』(刑法246条1項)、つまり、他人に嘘をついて錯誤に陥らせ(つまり勘違いさせ)、その錯誤によって他人から物やお金をもらう行為」と岩沙弁護士は述べる。
具体的には、食い逃げなどの無銭飲食、無賃乗車(いわゆるキセル)、他人のクレジットカードの不正利用、振り込め詐欺のほか、架空の商品をインターネット上のオークションサイトに掲載し、落札者が代金を振り込んでも商品を発送せずに姿をくらませるオークション詐欺、保険金目当てで保険に加入し、わざと事故を起こしたり、架空の診断書を作って保険金を騙し取る保険金詐欺、結婚を餌に異性に近づいて金品を借り、そのまま姿をくらます結婚詐欺、「元本保証」「必ず儲かる」と株などの投資に勧誘し、実際には儲けどころか元金の大半も戻さずに姿をくらます投資詐欺などがある。
これらの詐欺で捕まった場合は「10年以下の懲役」(刑法246条1項)に処せられるという。岩沙弁護士によると、刑罰の相場としては、初犯の場合、執行猶予となることが多いが、騙し取った金が高額になると、実刑1年6カ月~2年くらいになるそうだ。
ドラマでは、草なぎ演じる浩一が捕まることはないだろうが、どんな手口で事件関係者たちに復讐していくのか気になるところだ。