警官のポテト3本を盗んだ女、老人に扮した麻薬売人……2016年もすごい「アメリカおバカニュース2016」
■時速160kmでステーキを投げる男
4月20日、テキサス州ダラスの警察署に、大型スーパーマーケット「ウォルマート」で男がステーキ肉を万引したという通報が入った。男はすでに店を去っていたが、店員は容疑者が乗った車の特徴を警察に伝えたため、すぐに見つかった。男の車の後ろにパトカーをつけた警官は、容疑者に向かって高速道路のわきに停車するよう指示。警官は「ステーキ肉の万引」というシンプルな事件なので、すぐに逮捕して終わりだと思っていたという。しかし、容疑者は車のスピードで上げ、逃走を始めたのだ。
予想外の展開に驚いた警官は、支給応援を要請。複数のパトカーで男を追った。すぐに捕まえられるかと思いきや、男はあきらめることなくスピードをぐんぐん上げて逃げ続けた。増え続ける多数のパトカー相手に、グレッグ郡とハリソン郡の2つの郡にわたり、時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるというハリウッド映画のような展開になったのだ。
アップシャー郡に入ったところで容疑者は我に返ったのか、追ってくるパトカーのあまりの多さに恐れをなしたのか、降参。しかし、停車する前に証拠隠滅を図った。万引したステーキを窓の外から投げ捨てたのだ。ハイスピードで走る車内から投げ捨てられたステーキは激しく宙を舞い、追っていたパトカーのフロントガラスにベチャッと叩き付けられた。
地元メディアは「ステーキ肉を万引しただけで時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるなんて、BBQ好きなテキサスならでは!」と報道。投げ捨てられたステーキ肉の写真と共に、容疑者が逮捕されたことを報じた。
■どこかおかしい老人は大物売人?
8月18日、マサチューセッツ州サウス・ヤーマスのとある住宅を、警察が包囲した。警察は麻薬売買の容疑でショーン・ミラーという31歳の男を追っており、彼が潜伏している家を突き止めたのだ。警察はショーンの名前を呼び、ただちに出てくるようにと命令。しかし、出てきたのは70代とおぼしき老人男性だった。
なんのことだか知らないと言う老人は、サイドヘア、あごヒゲ、眉毛は白髪。シミやシワもあった。しかし、白目が異様にきれいで、目力がある。歯も白く、とても健康そのもの。警察は老人の顔に違和感を覚えつつ、宅内を捜査したところ、ショーンがいる証拠がたくさん出て来た。
ここでやっと1人の警察官が老人に向かって、「お前がショーンだろ!」と言い、顔をつかんだ。すると顔がずるっとむけ、中からショーンが現れたのだ。ショーンは警察の目をごまかすためにゴム製のとてもリアルな老人のマスクをかぶっていたとのこと。しかし、劣化した肌からのぞく健康的な目と白い歯があまりにも目立ってしまい、バレてしまった。
まぬけな犯人ではあるが、洗濯かごの中に実弾の入った拳銃2丁と3万ドル(約350万円)もの大金を隠しており、マサチューセッツ一帯の麻薬売買において重要なポジションにいたと見られている。なお、ショーンのマグショットだが、マスクをかぶった老人バージョンとかぶっていない本人バージョンと2タイプが撮影された。