SMAP解散と現代社会における40代の関係とは? 男は生きづらく、女は楽になる!?
2015年に厚生労働省が発表した「簡易生命表」によると、日本人女性の平均寿命は87.05歳、男性は80.79歳で、過去最高を更新した。それを踏まえると、40代は“人生の折り返し地点”にあたることになる。
折り返しを迎えた時、人は何を思い、何に悩むのか……。そんなテーマについて、40代真っただ中にして、注目の論者4名によるトークイベント「真剣40代男女しゃべり場 生き方、働き方忘年会議」が下北沢の本屋B&Bで開催された。
イベントに登壇したのは、プレジデントオンラインの「WOMAN千夜一夜物語」 やnikkei WOMAN Onlineの「それでも女は生きてゆく」など、独自の視点でニュースやトピックの本質を鋭くえぐる河崎環氏。先日、初の著書『女子の生き様は顔に出る』(プレジデント社)をリリース。気鋭のコラムニストとして、注目されている論者の1人だ。
河崎氏と熱い議論を交わしたのは、男性学の研究で知られる田中俊之氏、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏、働き方評論家の常見陽平氏の3名。オーバーフォーティーの4名によるトークのハイライトをレポートしたい。
■現代社会の中で、40歳の意味が変わってきている
前半のトークで熱を帯びたのは、それぞれが幼少期から現在までに持ってきた「40代観」。生まれたときに、祖母が47歳だったというおおた氏は、「子どもの頃、(40代男性は)完全な“おじさん”って思っていました」と振り返る。
「今、40代になって、こんなに子どもだったのかなって思った。自分が年取ったからなのか、世の中の40代が若くなったのか、というと後者なんじゃないかなと思う」(おおた氏)
これに対し常見氏は、「加齢とは何か」の視点から、次のように分析する。
「最近、大きく変わっているのは『社会的加齢』じゃないかな。現代社会の中で、40歳の意味が変わってきていると思います。会社内でも変わってきていて40代で大手企業の部長がいたり、一方で平社員の人もいる世界。それは正社員の話ですが、非正規の『中年フリーター』も問題になっています」
また、田中氏は10代の頃に抱いていた、40代への冷めた視点が徐々に変化してきたと語る。
「僕が子どもの頃、40代の人って自分が客観視できていないと思っていました。高校生の時に見ていても、援助交際で女子高生と歩いていたり、あからさまにお金で何かしているっていうのがわかるのに、それで満足感あるのかな、と。キャバクラの同伴とかもそう。自分がおっさんできれいな女の子を連れて堂々と歩いて、それが楽しいと思える感性って何だろう、と若い時は見ていました。
実際、僕が41歳になってみると、わかるとは言わないですが、絶対相手にしてもらえないんだろうと寂しさを感じます。自分に誰も興味がないんじゃないか、という恐怖があるので、だからお金で解決したいと考える人が出てくるのでしょう。昔見た、あのおっさんたちは、こんな複雑な回路をしていたのか、そこには何かしらの哀しみがあったのかな、と思えるようになりました」(田中氏)