カルチャー
関東連合元最高幹部・柴田大輔氏インタビュー

「関東連合」元最高幹部に聞く、芸能人が裏社会と深い関係になりやすい理由

2016/12/14 15:00

■不良者の映画やドラマはいつの時代でも人気がある

『聖域 関東連合の金脈とVIPコネクション』(宝島社)

――『聖域』には、芸能界やIT業界との交流も書かれていましたが、なぜ芸能人は関東連合のような裏社会の人間と深い関係になりやすいのでしょうか?

柴田 昔から芸能人の巡業や興行を支えていたのはヤクザだったし、ヤクザ映画に出ていた俳優には、プライベートで本物のヤクザと仲がいいという人もいました。暴対法(1991年に制定された暴力団対策法)でヤクザは締め出され、公共のメディアにおいても、反社会勢力と付き合うことは許されないと問題化されるようになりました。

 芸能プロダクションも、以前のようにヤクザに金を払って揉め事を収めるということが通用しなくなりました。暴力団と付き合っていること自体が社会的に制裁を受けることになったんです。そこで、プロダクションはいわゆる“半グレ”をボディガードとして使い始めました。暴力団ではない街のギャングスターということで、使い勝手がいいんですね。

 不良者の映画やドラマっていつの時代でも人気がありますよね? 芸能人が関東連合と仲良くするのは、街で威張って歩きたい、というのがあるからじゃないですか。自分より下の世代の石元太一らは、実際に映画やドラマに不良役で出演するタレントたちとプライベートで付き合ったりしていました。

 でも、僕らや上の世代は芸能人とは付き合わなかったです。付き合っていたのは、プロダクションの社長とか、クラブに集まる人たち、例えばDJ、アパレルのデザイナーやスタイリスト、裏原とかサブカル系の人たち。彼らのやってる仕事自体はよくわからないけど、だからこそ、棲み分けができていて、友好的な関係でした。

■不良でもないイキがった人たちが関東連合に取って変わった

――不良はモテるというイメージがありますが、実際はどうなんでしょうか?

柴田 暴走族っていうのは、女よりも仲間のほうが大事なので、「彼女ほしい」っていう雰囲気はないです。だから、結婚しようという価値観もないし、結婚する意味がわからなかった。不良がモテるっていうのも勘違いだってわかりました。女の人は、けんかばっかりしているような男を好きにならないですよね。

 ただ、成人後も「関東連合だ」って言って、オラオラ飲みしているノリがいい奴等は、キャバクラではモテます。だから、彼らが付き合ってるのは、だいたいキャバ嬢でしたね。

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