ヘルスプレスより

トイレで転ぶ大人、「ヤンキー座り」ができない不良~現代人を襲う<3つの低下>

2016/12/18 21:00

◎和式トイレを使えない人が増えている

 いまや和式トイレを目にすることが驚くほどなくなり、実際に使う機会はなくなった。そのためだろうか、和式トイレで用を足すことができない人が増えている。

 和式トイレでは、股関節を大きく曲げ、足関節も充分に曲げなければならない。これができないと、後方に倒れたり、必要な位置まで腰を下ろしたりできない。

 あらためて、この姿勢をとると結構ハードなことに気づくだろう。このように体を支えるためには、十分な脚の筋力、股関節と足関節の柔軟性。そして、姿勢を保つバランス能力が必要だ。

 ひと昔前までは、トイレに行くたびに体を使って(鍛えた)が、いまではそうはいかない。体の使い方が変わってきた現在、便所座り、蹲踞の姿勢、いわゆる<ヤンキー座り>をできない若者が多数を占める日は近いかもしれない。


 PCやネットで利便性を手に入れたように、身体の柔軟性もどんどん失われている。便利さの代償だ。無意識に身体機能を向上させていた頃のようにはいかない、現在は運動を意識しなければならないのだ。

 とはいえ、何もフィットネスクラブに入会しろ、トレーニングマシンや用具を購入しろと迫っているわけではない。

 昔の人が無意識に行っていたことを、意識して取り入れるだけだ。たとえば、エレベーターを使わず階段を上り下りする。これだけで活動量は大きく変わる。

 <便所座り>の姿勢でテレビを観る。柔軟性、バランス、筋力のすべてを鍛えることができ、体の機能は向上する。

 後ろ向きで歩く。たまには後ろ向きで歩いてみよう。ただし、転倒には気をつけ、奇異な目で見られないように人がいないところで。


 ほかにもさまざまな運動習慣はあるが、どれも特別なものではない。体を鍛えるのに魔法はない。無意識の運動習慣は、間違いなくあなたの人生の質を高めるはずである。
(文=編集部、監修=理学療法士・三木貴弘)

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

最終更新:2016/12/18 21:00