映画『未来を花束にして』講演会で考えた、女性が活躍できない日本社会
■永田町では「年増の女は不要」
さらに、政党職員の採用では、履歴書の審査の段階で、一定年齢以上の女性ははじかれます。「年増はダメだ」と公然と言う国会議員が多いのです。秘書としての経験値の高い人の方が即戦力として役立つはずなのに、年齢や外見を重視するのです。男性職員の採用の場合は、経験値と能力を重視するのに……。
そして、それも女性差別だと気づいていないのです。一部の議員は「女性を優遇して何が悪い」とまで言い放ちます。女性のみ「年齢重視、外見重視の、どこが優遇なんだ!?」と叫びたくなります。
それに、秘書同士でも、「女性としての賞味期限が、あと少しですよ」なんてことを言う人がいます。それもセクハラだと思いますが、ハラスメントだと気づいていないんです。「それ、セクハラですよ」と指摘すると「え、なんで? まだまだきれいだって褒めたつもりなんだけど?」などと反論するレベルなんですよ。
もちろん容姿について、あれこれ言われるのも、女性秘書に対してだけです。最近、芸能人に使うように「劣化している」なんて言葉が永田町でも聞こえてきますが、それも女性議員や女性秘書に対してしか使われていません。
■女性の活躍は期待できない?
議員秘書は基本的に立場が不安定で、議員の落選や失職、辞職などにより、突然職を失うこともあります。そんな時、女性の元秘書だけは「旦那さんがいるんだから、少し休んだら?」などと周囲に言われることがあります。気遣っているつもりなのですが、同じ言葉を男性秘書にも言えますか? と思うんです。
男性の元秘書に対しては「家族もいるから大変だよね、早く次の職場が見つかるといいね」などと声をかけます。これも立派なセクハラですが、やはり気づいていない。独身の女性秘書から言わせると「議会は、ただでさえパイが少ない職場。旦那さんがいる人は、働かないでほしいのが本音」なのだそうです。
きっと男性も同じ論理で、競争率を減らすために、夫のいる女性秘書には、先のような声がけをしてしまうのでしょう。でも、男女平等の感覚があれば、決して出てこない発言です。
こんな残念な永田町ですから、世界経済フォーラム(WEF)が調査している男女の平等格差を表す「ジェンダーギャップ指数」(2015年)が145カ国中で日本は101位と、先進国ではダントツに低い状況というのにも納得がいきます。
安倍総理から「女性の活躍」という発言を聞くたびに、正直、「本気でやる気はないくせに……」と、ため息をついています。