「うらやましい」「残されたユートピア」民放が嫉妬する「自由すぎるEテレ番組」3選
「Eテレ」で放送している人形劇が、「攻めすぎている」と話題になっている。Eテレといえば、『ひょっこりひょうたん島』や『プリンプリン物語』、近年では『新・三銃士』などの名作人形劇で知られているが、話題の作品はどんな内容なのだろうか?
「『ねほりんぱほりん』という番組です(水曜午後11時~)。ドラマではなくトーク番組で、ゲストとして登場するのは、顔出しNGの人や、顔を出したら物議を醸しそうな人。彼らがかわいらしいブタの人形に扮してトークを展開し、MCを務める南海キャンディーズ・山里亮太とYOUの2人もモグラの人形で登場します」(芸能ライター)
収録の様子はというと、ゲストと山里、YOUの3人は直接面と向かって話し、その後、別のスタジオでスタッフが3体の人形をしゃべりに合わせて動かしていくのだという。これまでのゲストを見ると、確かに顔出しが“難あり”な人たちばかりだ。例えば、SNSでは東京の“リア充”生活を発信しながらも、実際は田舎暮らしの「偽装キラキラ女子」、かつて覚せい剤の売人と我が子の3人で暮らしていたという「元薬物中毒者」、抱き枕に好きなキャラクターのウィッグをつけて添い寝する「2次元しか本気で愛せない女」、「東大以外は人間ではない」と断言する「ハイスペ婚の女」など、いずれも顔を出していたら「大炎上」間違いなしのラインナップである。
「『ハイスペ婚の女』の回では、東大卒、年収1800万円、6歳年上の会計士の男性と7年前に結婚した31歳セレブ妻が出演。『出会った夫は勉強ばかりして転がしやすそう』『でも週5でほかの東大卒と合コンし、彼をキープしつつ、ほかも物色していた』『夫には愛はない。お金だけ』など、男性をゲットするまでの過程や、今の結婚生活を話していました。ただ、『退職金が出る仕事かどうかは大事』『男性の実家が遠いかということもポイント。姑と必要以上に会わずに済む』といった、“なるほど”とうなずきたくなるようなことも話していましたね。時折出る『うふふ、うふふふ』という、セレブったらしい上品笑いには山里とYOUも引いていましたが」(前出ライター)
通常、元犯罪者や炎上を招きそうな人物がテレビに出演する場合は、モザイクを施して放送することが多い。しかし、この番組は「Eテレといえば人形劇」と世間のイメージをうまく使っているといえよう。
そしてほかにも、面白いという声が上がっているEテレの番組がある。
「ヒップホップ・アーティスト、DJみそしるとMCごはんが毎回音楽とアーティスティックな映像にのせて、1つの料理レシピを紹介する『ごちそんぐDJ』。そして、国内外の美術作品を歌とアニメで見せる『びじゅチューン!』です。これは、風神と雷神がなぜか恋人同士という設定でドライブデートをする『風神雷神図屏風デート』や、国宝名画『鳥獣戯画』の中で擬人化された動物が、川下りや相撲を取っている姿をモチーフに、それらをダイエットメニューに変えて紹介する『鳥獣戯画ジム』など、シュールな作品を放送しています」(同)
そんな遊び心満載のコンテンツを作っているNHKに対し、他局のスタッフは「うらやましい」と嘆く。
「視聴者からのクレーム→スポンサーからのお達し→テレビ番組の萎縮・均一化、そしてそれによる視聴者のフラストレーション。もはや民放は、こうした負のスパイラル状態に陥っており、面白いものを作れなくなりました。残されたユートピアは、もうNHKだけです」(同)
保守的で古いイメージがつきまとっていたNHKだが、いまや民放が嫉妬するほど発想力豊かな番組が増えているようだ。5年後、10年後の民放番組がどうなっているかわからないが、Eテレの番組は伸び伸びと育っていくだろう。
(後藤港)