「社会の圧力に屈して子どもを生んだ」「出産は最悪の決断」アデルが産後うつだったことを告白
先日、コンサートで「息子が、もうすぐ4歳になるの」「子宮がうずくの。赤ん坊、赤ん坊、赤ん坊、赤ん坊がほしい。妊娠してるわけじゃないわよ。ツアーが終わるまでは妊娠しないわ」と語り、ツアー終了後に子作り開始かと騒がれたアデルだが、今回の雑誌インタビューでは「もう子どもは欲しくない」「産後うつを経験したから、これ以上、子作りするのが怖い」と告白。サイモンが前妻との間にもうけた娘とも仲がよいことから、息子にきょうだいを作ってあげたいという気持ちにはならないとも認めた。
そして、「私は息子を誰よりも愛している」と述べた上で、「でも日々の暮らしの中では、ほんの少しでいいから、好きなことをする自分の時間が欲しいって切望しちゃうのよ。毎日そんな気分だった」と、子育ては楽しいことばかりではないのだと伝えた。
過去に大酒飲みだと告白したことがあるアデルだが、今回のインタビューでは、息子を出産後は飲酒量がかなり減ったとも明かしている。理由は「子どもがいると二日酔いが拷問になる」からで、「想像してみてよ。うるさい3歳児がいて、あなたが調子悪いってことを知ってる……地獄よ」と訴えた。
アデルは「昔は酔っぱらうことが大好きだった」と認めつつ、「はた目には、『21』を上回るアルバムなんてもう書けないだろうって思われていること、わかるわ。あの頃は気ままだった。今はあの頃のようにボロボロになる余裕なんてないし」「あの頃はね。ワインを2瓶飲み干して、タバコを立て続けに吸いながら歌詞を書いていたの。翌朝起きて、歌詞を読んで“なかなかイケてるじゃん!”ってメロディーをつけてた。でも、赤ん坊を産んでから、昔みたいな、そんなむちゃなことはしなくなったからね」と述べ、「今後もレコードは制作していきたいけど、もう二度と拍手を浴びなくてもいいやって思ってる」と発言。子どもを産み、保守的になった今は、昔のような名曲を生むことはできないと思っているようだ。
ベイビーブルーとも呼ばれる産後うつは、実に多くの女性が経験する。米心理学会は、アメリカでは7人に1人が産後うつを患うといい、自覚していない人や打ち明けない人を考えると、実際にはそれ以上の確率だともいわれている。助けを得られれば楽になれることから、これまでにもグウィネス・パルトロー、ブルック・シールズ、コートニー・コックスら多くのセレブが、“産後うつ”になった経験を告白し「あなただけではない」と呼びかけている。
今回、出産を「人生における最悪の決断だと感じた」とまで言い切ったアデルには、賛否両論の声が上がっている。ショックを受けているファンも少なくないが、「現実の厳しさを教えてくれるアデルだからこそ」「リアルな感情を打ち明けてくれてうれしい」と受け止めている人の方が多いようだ。
世間が求めるような完璧な母親になろうと頑張らなくてもいい、自分の時間も作って、自分を大事にしてあげようと呼びかけるアデルこそ「理想の母親」なのかもしれない。