『YOUは何しに日本へ?』でわかった、ジャニーズWEST・中間淳太がバラエティ不向きな理由
今回ツッコませていただくのは、11月21日放送分『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京)で見られたジャニーズWEST・中間淳太のもったいなさ。
この日は、Hey!Say!JUMPとジャニーズWESTが出演している『リトルトーキョーライフ』(同)とのコラボ企画として、JUMPの岡本圭人と八乙女光、WESTの中間と桐山照史が出演。そもそもジャニーズで「YOU」というと、社長のモノマネしか浮かんでこないが、それはともかく。
同番組では外国人「YOU」たちにインタビューするため、9歳から5年間単身イギリス留学していた岡本と、日本人と台湾人のハーフとして生まれ、小学4年から中学卒業まで台湾で過ごしたために台湾語・中国語・英語・日本語の4カ国語がしゃべれる中間の活躍は、大いに期待されるところだった。
だが、いずれも少しずつ残念な点があった。2人とも流暢な英語でYOUたちに話しかけるまではよいのだが、岡本の方はそのまま英語で質問を続け、スタッフから「日本語で話してください」とダメだしをされてしまう。
あれだけ話せるのだから、英語で話して日本語は全てテロップで出せばいいのではないかとも思うが、この番組では「YOU」の言葉を「生の声+日本語テロップ」としており、YOUとの差別化のためか「聞き手」は日本語が基本となっている。だから、せっかくの英語がどちらも「冒頭の声掛け」でしか生かされない。
しかも、岡本は普段から英語で話す方が日本語よりも口がなめらかになったり、強気になれたりする傾向がある。だからこそ、英語でインタビューするならスムーズなのだろうが、「日本語版・岡本」の方は緊張でなかなか話しかけられず、苦戦していた。
一方、中間の方は果敢に話しかけるのだが、押しの弱さか、遠慮がちな性格なのか、「時間がないから」「エレベーターが来たから」などと言われて引き下がってしまう。それでもトーク力と行動力でインタビューの数は着々とこなしていくが、密着取材にはつながらず、2日目に突入。ようやく密着取材のOKをもらったドイツ人男性2人からも、結局、「疲れているから」という理由でドタキャンを食らってしまう。
この番組を見てあらためて気になったのは、中間の残念さだ。キャラや能力が残念なわけではない。その頭の良さが、バラエティでは戸惑い・迷いにつながる分、邪魔になる部分もある。
レギュラー出演している『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)では、「明るくおバカな食いしん坊キャラ」としてイジられる桐山に対し、なんとなく「真面目」などの中途半端な立ち位置にいる感じがするし、『リトルトーキョーライフ』でも妙な「キレキャラ」を演じることがある。
バラエティ番組では出演者をキャラづけすると、視聴者側が覚えやすく見やすいということがあるのだろうが、本来の中間はどちらかというとキャラを発信していくタイプというより、周囲の状況や他者の言葉・情報を冷静に受信していくタイプに見える。
だからこそ、『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)では、メインMCを務める桐山とA.B.C‐Z・河合郁人というキャラの濃い2人のトークよりも、実は番組内コーナー「少クラセレクション」を担当する中間とA.B.C‐Z・戸塚祥太の2人のトークの方が、聞きやすく、落ち着いていて見やすいといつも思っていた。
中間も戸塚も共通しているのは、他者の話を聞くことが得意で、幼いJr.や個性の強いJr.の言葉もわかりやすく「翻訳」する力があり、いろんな話を引き出せること。両者ともグループ内で個性のバラバラなメンバーたちの通訳的な役割を果たしていることが多い。
そう思うと、何かと「ポンコツ愛されキャラ」が重宝されるバラエティよりも、中間の場合、理解力の高さや頭の回転の速さ、大きな武器の語学力を生かして、キャスター仕事などをやる方が向いているのではないか。
持っている力はいろいろあるはずなのに、まだそれを出す場所をあまり見いだせていないのは、どうにももったいない気がする。
(田幸和歌子)