新垣結衣『逃げ恥』大ヒットの要因は……「かわいいだけの女優」評価を逆手に取る演出法?
新垣結衣主演のTBS系連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(火曜午後10時~)が、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
同ドラマは初回10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、“数字が取れない枠”とされてきた同局の「火10」ドラマで、初の2ケタ発進。第2話で12.1%まで上げると、以後、第3話12.5%、第4話13.0%、第5話13.3%と、回を重ねるごとに上昇し、15日放送の第6話では13.6%の高視聴率をマーク。これで、脅威の5週連続視聴率アップとなり、第6話までの平均は12.4%。この推移を見るかぎり、今後大幅に数字を落とす可能性は低く、全話平均で2ケタキープは確実となってきた。
新垣は昨年10月期の『掟上今日子の備忘録』(日本テレビ系)で主演し、寝ると記憶を失うため、事件をスピード解決させる探偵役を演じたが、視聴率は全話平均9.8%で、2ケタに届かなかった。
「これまで、新垣は演技力よりも、“かわいさ”で視聴者を引きつけてきたタイプ。『掟上今日子』がヒットしなかっただけに、関係者の間では『かわいいだけでは数字は取れない』『そろそろ賞味期限切れでは?』などといった意見も出ていたようです。しかし、今回、低視聴率枠で高い視聴率を取ったことで、見事に『掟上今日子』のリベンジを果たし、健在ぶりをアピールし、その評価は一変したようです。今作は役柄や、脚本、演出が新垣のキュートさにピッタリ合っており、まさに適役。“かわいさだけが売り”ならば、それを最大限に生かす……という戦略だったのではないでしょうか。主役が新垣でなければ、これだけの高視聴率は取れなかったはずです」(芸能ライター)
一時は評価を下げかけた新垣だが、『逃げ恥』のヒットで、その評価が高まることとなり、今後も主役級オファーが舞い込むのは必至。さしあたって、来年3月に放送される特集ドラマ『絆~走れ奇跡の子馬~』(役所広司主演)で、NHKドラマの初ヒロインを務めることが決まっている。同ドラマでは、『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)『掟上今日子』の共演者・岡田将生と兄妹役を演じるだけに、さらに注目を集めそうだ。これまであまり縁がなかったNHKで、新垣がどのような演技を見せるか。今から、そのオンエアが待ち遠しい。
(田中七男)