骨折させて身長を伸ばす? 美容整形Dr.高須幹弥が“人体改造手術”のウワサを斬る!
■芸能界にはびこる「肋骨除去」のウワサ
骨にまつわる手術といえば、「肋骨を抜いてウエストを細くする」という話も有名ですね。芸能人でも、ほしのあきさんや熊田曜子さんなど、ウワサされているグラビアアイドルが何人かいるようです。
下の方の肋骨を3本くらい抜き取ることとなるのでしょうが、皮膚や内臓はそのままなので、見た目にはほんの少し細くなるくらいでしょう。コルセットなどでウエストを絞れば効果を実感できるものの、劇的に変化するわけではありません。
この手術は、とりわけ骨格のしっかりしたニューハーフに人気が高く、ニューハーフ専門の美容外科などでは施すことがあるようです。また、一部の医院では前面の肋軟骨を抜いてウエストを細くするとも謳っていますが、僕は前面の肋軟骨を抜いて細くなるとは思えない。
肋骨は臓器を守るためにあるので、抜くことによるリスクの方が大きいです。まず、肺が十分に膨らまなくなり、呼吸がしづらくなったり、肺がしぼんで無気肺という状態になったりする可能性があります。また、右側には肝臓があるので、ぶつけたり殴られたりするとダイレクトにダメージを受けてしまいます。あるはずのモノがないことで、体をねじったときに変な窪みができることもありますし、美容目的でやるべき手術ではありませんね。実際、当院や大手の美容整形外科では取り扱っていませんよ。
大掛かりな手術といえば、南米あたりでは、ヒップを大きく見せる手術がはやっているようです。極端に大きく上に上がっているおしりが理想的なフォルムらしくて、臀部にシリコンを入れてボリュームを出すようです。でも、座るつど圧迫される部位なので、破裂したり皮膚が破れて飛び出たりするリスクがあります。もしやるのであれば脂肪注入の方が安全ですよ。
高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
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