骨折させて身長を伸ばす? 美容整形Dr.高須幹弥が“人体改造手術”のウワサを斬る!
【第23回】「高須センセイ、身長って、人工的に伸ばすことできるんですか?」
ダイエットに勤しめば、痩せることはできる。しかし、身長だけはどうにもならない……と思ったら、 実は「脚の骨を折って身長を伸ばす」という、にわかには信じがたい美容整形があるとかないとか。「韓国の女性アイドルはデビュー前に施術を受ける」というウワサもまことしやかにささやかれているけれど、日本ではあまり聞き慣れない手術。高須クリニック名古屋院院長の高須幹弥先生、こんな人体改造のような手術って本当にあるんですか!?
■身長は人工的に10センチも伸ばすことができる?
「脚の骨を折って身長を伸ばす」という手術は、本来、先天奇形で左右の脚の長さが違う人などが整形外科で受ける手術です。日本でも普通に行われていますよ。施術は、脛骨を切り、延長器と呼ばれる器具を皮膚と骨に挿して固定し、上下に引っ張ってすき間を作り、骨の修復力を利用して少しずつ伸ばしていきます。再生された骨ですき間を埋めるイメージですね。1日に1ミリ、最大で10センチくらい伸ばすことができます。
希望の長さまで伸びたら、そこから骨を固めます。完全に固まったら、ようやく器具が外せるのですが、手術初日から器具を外すまでベッドで寝たまま過ごさなければならないので、筋肉が萎縮して歩けなくなるんです。そのため、リハビリで日常生活が送れるほどまで体力を取り戻して、ようやく退院となります。全部で1年半~2年を要する大掛かりな手術です。
しかも、傷は残るし、骨に直接器具を固定して過ごすので、そこから細菌が入って骨髄炎を起こし手術が失敗になることも稀にあります。ただ「背を伸ばしたい」という願望だけで受けるにはかなりハイリスクな手術だと思いますよ。
この手術は、美容外科でも扱っていて、かなり以前に当院でも行っていた時期があります。ただ、美容目的では自費診療になるので、費用は1000~ 2000万円。2年近く仕事も休んで入院していなければならないため、希望者はほとんどおらず、現在は行っていません。