サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューSMAPや天皇に共鳴する、婦人公論の現役感 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」9月27日号 天皇陛下、SMAP、離婚カウンセラー……「婦人公論」読者が心の奥で共鳴するさまざまな“現役”の形 2016/09/26 21:00 女性誌速攻レビュー「婦人公論 アイドルとしては致命的な不祥事や脱退・結婚など決して順風満帆ではないグループでありながら、なぜここまで年上女性たちの心を捉えて離さないのか。白河はこう分析します。「日本の女性は、あらゆる年代において、大なり小なりつらい時期を経験しています。妻であり母であり、自分を生きられないまま年を取ったり、お姑さんに虐げられてきたり、介護問題があったり……。(中略)80年代までなんとなくあった女性の生き方のパターンが崩壊し、格差も広がっています。そんな激動の時代に女性の支えになったのがSMAPだったのかもしれません」。 光GENJIというど定番なアイドルの後のスタイリッシュな存在感は新鮮だったと同時に、「ジャニーズなのになかなかオリコン1位になれない」という不遇感もグッとくるところだったのではと考察。「アイドルの定義は、未完であることだと思っています。『まだのびしろがあるんだ』と思わせてくれるのがアイドルの条件で、それがなくなったときがアイドルの終わり」(白河)とは、常に現役でありたい現代の中年女性たちの願いそのままなのかもしれません。 ■年上相手では「現役」にならないのかしら? さてさて、一番後回しにしてしまった今号の特集「人生後半が充実する人の秘密」。リードには「年を重ねると、老後のお金や健康に加え、孤独に陥らないかなど、未来への期待よりも不安が増します。けれど、下を向いてばかりはいられません」とあります。「婦人公論」お得意の、「老後はご機嫌に生きた人こそ勝利」の特集です。いや、ご機嫌になれというよりは「いかに不機嫌なガンコおばさん」にならないかの秘訣を、「体」「心」「お金」の観点から紹介しています。 天皇陛下の生前退位、SMAP解散騒動ときて、この特集で拝見するのは夫婦問題研究家・岡野あつこの「大腸がんをきかっけに3度目の結婚を目指します」。夫婦問題のカウンセラーとして活動しながら「自身も2度の離婚を経験」した岡野。「とてつもない激しい腹痛」に襲われ、検査の結果大腸がんが発覚。腸を20センチもカットしたものの手術は成功、転移も抗がん剤の必要もなく現在は順調に回復しているということ。 「がんは5年前くらい前からできたもの」と主治医に告げられて、岡野の脳裏に浮かんだのは2011年に結婚し、14年に離婚した24歳年下男性のこと。「年齢を忘れようと無理にふるまったり、年の差婚なんてうまくいきっこない、という世間の声に耳をふさいでいた時期」。死の淵をさまようような大病を経験し、しかもその原因が自分の中ではっきりしていながら「3か月後には20歳年下の恋人をつくりました。彼とは2年ほど交際しましたが別れ、現在は、正式にお付き合いしているわけではないけれど、ホテルのバーで知り合った、12歳年下のアメリカ人男性と恋愛中」というからすごい。「大腸がんを経て、本気で3度目の結婚を目指そうと考えを改めました」。 ちょっと頭が混乱しているので整理しますと、24歳年下男性と結婚しストレスをためてしまった結果大腸がんになったわけですよね。それでかなりの苦痛を味わったんですよね。もう年下男はこりごり……とはならないわけですね!? 「これからの人生を幸せに生きるための秘訣は、転んでもタダでは起きなということ」という岡野。キレイに現役を退きたいと願う人、中年になってものびしろという現役感を求められる人、年下男との結婚で現役を感じていたい人……人生の後半とは、それまでに背負ってしまった業との戦いの日々なのだとひしひしと感じる今日この頃です。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2016/09/26 21:00 Amazon 婦人公論 2016年 9/27 号 [雑誌] すべてのジャンルで現役であろうとすると、疲れちゃうわよ 関連記事 浅田姉妹、岸部兄弟……「婦人公論」のきょうだい特集に見る、“きょうだい仲良く”の呪縛「内面の美こそ不変」という呪詛で読者を絶望させる、「婦人公論」のエイジング特集共感ならず!? 喜多嶋舞が見誤った、「婦人公論」読者の「妻」「母」に対するこだわり女性のあこがれ「老後の女子会」のツライ現実? 「婦人公論」で露呈した、世代で異なるその中身自分と子どもを分離できない「婦人公論」読者が考える、「結婚しないわが子」の業 次の記事 JUMP・伊野尾、AV女優と極秘旅行報道 >