元人気AV女優・小澤マリアがフィリピンでクラブ経営者に 「有名になって見返してやる」って思ってた
2005年にデビューすると瞬く間にブレイク、日本で安定した人気を誇る一方で、アジア各国でも絶大な支持を得てきた元AV女優・小澤マリアさん。現在は東南アジアを舞台に芸能活動を続けながら、フィリピン・マニラに拠点を移し、クラブ経営も手がけています。自らがオーナーを務めるホテル内のクラブLa Maisonで、AV時代のこと、新天地での日々、これからのキャリアについて聞きました。
■新天地フィリピンは女性も対等に見られる
――AV女優からビジネスオーナーまでの道のりは、どのようなものだったのですか?
小澤マリアさん(以下、小澤) デビューした頃からいつも、「人気はいつ落ちるかわからない、次はどうしよう」って考えていました。AVと並行してキャバクラでも働いて、デビュー6年目で歌舞伎町にバーを出店して3年続けました。
フィリピンに最初に来たのは去年の5月。日本でお世話になっていた方にフィリピンの芸能界につてがあって招かれ、テレビ局周りや雑誌の撮影をしました。その雑誌のセールスが歴代最高を記録したらしく、それからこちらでの芸能の仕事も決まって、このお店のマネジメントにも誘ってもらいました。話の速さに驚いたけど、「この波に乗ろう!」って決めたんです。今年の1月、仕事に集中するためにマニラに引っ越しました。
――フィリピンの居心地はどうですか?
小澤 もうフィリピンに惚れましたね。すごく楽しい。みんな自由だし、怒らない、優しい、よく笑う、とにかくハッピーでいる。これってすごいことだと思うんですよ。みんなストレスは溜まっているはずなんだけど、家族で過ごしたり、それぞれ発散する方法を持ってて。社会的地位のある人、例えばこのホテルのボスも、気さくで優しくて驚かされます。おかげで私も丸くなりました(笑)。
――フィリピンは日本と比べて男女平等が進んでいるとされています。女性として、働きやすさ・生きやすさは感じられますか?
小澤 そうですね。「女は黙っとけ」という空気はなくて、女性も対等に見られます。日本の「男を立てる」っていう習慣はこっちでは絶対無理(笑)。もちろん日本は自分の母国だから大好きだし、日本を批判するつもりはないんです。ただ、ここは本当に居心地が良いですね。
■「もっと有名になって見返してやる」って思ってた
――小澤さんは女性の間でも知名度が高いですね。
小澤 なぜか女の子のファンの人も多いんですよ。私に憧れてAVの世界に入りましたって言われることもあって。いやいやそれはダメでしょって(笑)。
――別におすすめはしないんですね。
小澤 自分がいた業界だし、そこでの経験があって今の私がいるので、否定はしたくないです。でも勧めはしないですね。リスクや失うものは、やはり大きいですから。AV業界もそれほど景気が良くないなかで、失うものと得られるものがつり合うのか、この道に進みたい女の子には考えてほしい。
――小澤さん自身には、AVを始めてどんな影響がありましたか?
小澤 人間関係ですね。私はありがたいことにデビュー作が売れたし、当時の夢はトップになることだったので、「誰にばれてもしょうがない、突っ走ろう!」って思ってたんです。その矢先、理解してくれてたはずの彼氏に「彼女がAV女優なんて恥ずかしい。今すぐ辞めて」って言われて、別れました。後で「友達に紹介してもいい?」って言ってきた時は「勝った」って思った(笑)。ほかにも「おまえの仕事って浮気じゃん。だから俺も浮気するから」って言った彼氏もいたし。いつも話し合って相手が納得してから付き合ってたんですけどね。
高校卒業の翌月にデビューしたんですが、同級生、先輩、先生たちからのバッシングもすごかったですよ。「お前みたいな恥ずかしい女は来るな」って。高校の最寄り駅に行けないくらい。私、めちゃくちゃ負けず嫌いなんで、「もっと有名になって見返してやる」って思ってましたけど。
――みんな、特に男の人はAVにお世話になってるはずなんですけどね。
小澤 よく風俗で、終わった後に女の子に説教するおじさんがいるって言いますよね。こんな仕事してちゃだめだって。それと一緒じゃんって(笑)。でも、女友達は理解して応援してくれました。
――女優さんの友達もできましたか?
小澤 はい。現場でみんな気さくに話しかけてくれるんですよ。そこから仲良くなって、彼氏や親のことなど、お互いが抱えているつらさを共有できて、すごく絆が強くなりました。私の場合は、彼氏との関係やバッシングのことに加えて、デビュー後2~3年で両親にばれて勘当され、戸籍もはずされました。今、少しずつ関係が良くなっていますけど。あの頃友達がいなかったら、押しつぶされてたと思います。
あと、何といってもここまで来れたのはファンの方々のおかげ。本当に大事に思ってます。ジムでジャスティン・ビーバーとか聴きながらノリノリで走ってる時なんかでも、写真を頼まれたりするんですよ。「え、汗だくの今?」って思うけど(笑)、でもそういうファンの人たちがいなければ小澤マリアも存在しないわけで、ありがたいです。手が震えている方もいて、勇気を振り絞って声をかけてくれたんだって感激します。