テリー伊藤の“股間至上主義”的思考が漏れ出た、高畑裕太と坂口杏里への持論
羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。
<今回の芸能人>
「性犯罪に対する周りの人の目は厳しいものがある」テリー伊藤
『サンデー・ジャポン』(TBS系、9月11日)
強姦致傷の容疑で警察に拘留されていた高畑祐太の不起訴が決まった。『サンデー・ジャポン』(TBS系)に出演した細野敦弁護士の解説によると、これは“異例”の展開らしい。強姦の被害者の多くが法廷でセカンドレイプを経験することは知られているが、このケースの場合、加害者は有名人のため、仮に裁判となれば、真実と引き換えに、強姦の詳細についてはもちろん、その他のプライバシーまでマスコミに書き立てられて、余計な傷を負うことは目に見えている。示談という形で幕を引くのは、選択肢の1つとして妥当だろう。
しかし、妥当と思えないのが、高畑側の弁護士からのコメントである。弁護士は高畑からしか話を聞いていないと前置きした上で、「同意のもとに、性行為が始まっても強姦になることはある」「仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われる事件であります」と、高畑の無罪を主張するだけでなく、和姦であったのに女性が急に騒ぎだしたとも思えるニュアンスを漂わせている。
『スッキリ!!』(日本テレビ系)に出演した菊地幸夫弁護士は、「示談、不起訴になれば、ノーコメントで終わるのが普通」と解説していた。にもかかわらず、その“慣例”が破られたことについて、『バイキング』(フジテレビ系)に出演した清原博弁護士は「女性側の同意がないと、あの文書を発表することはできないと考えるのが一般的」「よほどの特殊な“事情”があると考えざるを得ない」とコメントしていたが、その事情が何かは謎のままだ。
不起訴を受けて、各番組、特に男性タレントのコメントの方向性が変わってきている。『サンデー・ジャポン』において、杉村太蔵が「シロ(合意あり)かクロ(合意なし)でない」「グレーな終わり方があり得るのか」と発言すると、堀江貴文は、「男女関係というか性交渉って、もともとグレーなもの」「どこからどこまでが合意なのかって言われたらわからない」「相手が嫌だって思ったら、合意じゃないってなる」とコメントした。
強姦罪の成立に合意の有無は重要な要素となるが、「男女関係というか性交渉って、もともとグレーなもの」からは、堀江が、女性側の合意に確信がなくても、セックスすることに抵抗がなく、また「どこからどこまでが合意なのかって言われたらわからない」からは、合意を確かめる手段は堀江にとっては存在しない、もしくは、合意を求めること自体がナンセンスと考えているように思える。そして「相手が嫌だって思ったら、合意じゃないってなる」からは、突然自分が強姦の容疑者に陥れられる可能性があると考えている、と読み取れる(相手が嫌だと思ったら、やめればいいという発想はないようである)。