芸能
石川敏男の芸能デスクレポート

高畑裕太、不起訴処分で釈放――弁護士コメントに感じた“不可解な点”

2016/09/15 19:00
高畑裕太インスタグラムより

 「本当に申し訳ありませんでした」と絶叫――強姦致傷という衝撃的な逮捕から17日後、高畑裕太(23)は、群馬県警前橋署から不起訴処分となり釈放された。宿泊していたホテルの従業員に「歯ブラシを届けて」と連絡し、その従業員を無理やり部屋に引き込み暴行。「欲求を抑えられなかった」と供述していたが、被害者側との示談が成立したようだ。

 警察関係者からは、被害者が「裁判にはしたくない。被害届けを取り下げたいと言っている」というウワサは流れていたが、強姦致傷罪が適用されていただけに、突然の釈放は驚きだった。そして、もっと衝撃を受けたのは、裕太側の弁護士のコメントだ。

 「被害者とされた女性との示談成立が考慮されたことは事実と思います。(中略) 高畑裕太さんの話は繰り返し聞いていますが、他の関係者の話を聞くことはできませんでしたので、事実関係を解明することはできておりません」としながらも、「知りえた事実関係に照らせば、高畑裕太さんの方では合意があるものと思っていた可能性が高く、少なくとも逮捕時報道にあるような電話で『部屋に歯ブラシを持ってきて』と呼びつけていきなり引きずり込んだなどという事実はなかったと考えております。つまり(中略)違法性の顕著な悪質な事件ではなかったし、仮に、起訴されて裁判になっていれば、無罪主張をしたと思われた事件であります」とのこと。

 被害者側の代理人に許可を取って発表した文書だと思うが、かなり強気だ。しかしここで疑問が浮かぶ。なぜ裕太は、裁判にしなかったのか。もちろん、女性側がそれを拒否したからという可能性も考えられるが、もし本当に弁護士側の言っていることが本当ならば、裕太にとっては、裁判で無罪になる方が身の潔白を晴らすことができたと思うからだ。

 これまで、強姦事件の被害者女性を診察してきた東京・新宿「高野ビルクリニック」の冨名腰文人院長が、「普通は、告発から逮捕まで慎重に運ばれるのに、今回の場合は異常に短かった。なんとも不可解な事件」と解説するように、謎ばかりが残った今回の事件。母・高畑淳子をCMに起用していた花王は、同CMの放送を中止したが、裕太の釈放を受けて「もう少し様子をうかがった上で対処したい」と説明するのみ。事件の余波はまだまだ収まりそうにない。

石川敏男(いしかわ・としお)
昭和21年11月10日生まれ。東京都出身。『ザ・ワイド』(日本テレビ系)の芸能デスク兼芸能リポーターとして活躍、現在は読売テレビ『す・またん』に出演中。 松竹宣伝部、『女性セブン』(小学館)『週刊女性』(主婦と生活社)の芸能記者から芸能レポーターへと転身。

最終更新:2016/09/15 19:00
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